98ブルー・アーキテクチャー:グローバル化ではなく 地域化をエネルギーの保全、排出量の削減および地球への配慮に基づく持続可能性のある建築設計の促進により、建造物や建設工事に対する考え方は大きく変わってきています。しかし、たいていの場合、このアプローチがエンドユーザーの快適さと福利に与える影響はあまり明確にされていません。「ブルー・アーキテクチャー」とは、持続可能性のある全ての建造物設計においても欠かせない要素であるべきで、人に対する心身両面での福利と快適さに重きを置くコンセプトです。:2人に優しい建造物G大まかに地球と人間のための持続可能性のある建築設計と定義してもよいでしょう。ブルー・アーキテクチャーはヒューマン・スケール(人間的な尺度)、心理、文化、人間工学といった基本的な、しかし大切な事柄に関するコンセプトです。さらには、クライアントの基本要件レベルにとどまることなく、プロジェクトに付加価値を与えることを目的とした設計上のセンスや解釈を奨励するものです。ブルー・アーキテクチャーは、その場所への特別な想いを生み出し、社会的な交流を促進することに重きを置きます。これは、スタジアムのようなコミュニティーを育成するという考え方に密接に結びついた建造物においては特に大切です。スタジアム内におけるさまざまな付加的施設や活動によって、こうした考え方を促進することができるでしょう。コミュニティーが必要とするレジャー施設を提供しつつ、スタジアム・デベロッパーにも商業的なメリットをもたらしてくれるのです。この設計哲学は「グローバル化ではなく地域化を」というスローガンに集約されています。スタジアムを広く一般に向けられた生産物のように捉えるのではなく、プロジェクトの根底にある、地元や個人的な感覚というエッセンスを理解してもらおうとするものなのです。ブルー・アーキテクチャーの哲学に賛同するスタジアム・デベロッパーや設計者にとっての主な目標は次のとおりです。より人に優しいスタジアムに求められるいくつかの要素を以下の指針の中に示します。クラブ/チームのアイデンティティースタジアムの規模やステータスの大小にかかわらず、例えばチームカラーとエンブレムを取り入れたデザインなど、クラブ/チームが持つアイデンティティーが構造上の重要な要素として反映される必要があります。持続可能なスタジアムの概念ㅡㅡ人間中心の設計を通じて利用者の福利、健康および快適さを大切にする。ㅡㅡ人間的尺度で設計を行う。例えば心地よい環境づくりや順次的ルートの構築など。ㅡㅡスタジアム、地域イベント向けのミーティング用エリア、広場、中庭、アメニティー設備、庭、遊歩道への利用者に優しく十分なアクセスを提供して「居場所」感覚を生み出す。ㅡㅡ多様で多機能なスペースを設けることでスタジアム設計における柔軟なアプローチを提唱し、公衆へのアピール度と市場性をも高める。ㅡㅡ社会的交流を盛んにすべく、楽しめる共有スペース利用を奨励する
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