93持続可能なスタジアムの概念93しかしながら、環境に責任を持つアプローチを認識し支持するかどうか、持続可能性に関するコンセプトを積極的にプロジェクト概要に取り入れ、設計コンサルタントに指示するかどうかは、最終的にはスタジアム・デベロッパー次第です。持続可能性実現の受動的および能動的な方法エネルギー消費量の削減と持続可能性のある設計は受動的アプローチおよび能動的アプローチと呼ばれる方法によって実現可能です。受動的な方法持続可能性を実現する受動的な方法とは、優れた都市計画や建造物設計によってのみ実現され、機械的あるいは技術的なソリューションなどその他の能動的対策を一切必要としない対策です。歴史的に、その土地固有の建築様式は日よけや狭い路地による日陰、冷却塔や換気塔、厚い壁やわらぶき屋根といった受動的な手法で過酷な気象条件に対抗してきたのです。能動的な方法能動的な方法とは、より効果的に建物を暖めたり冷やしたりするためのエネルギーを、技術的なシステムとその設置によって生み出す方法のことです。そのようなシステムは初期のコストがより高くなることがありますが、運営コストにおける費用節減の積み重ねによって長期的には相殺が可能です。持続可能性のある建造物に関する主なコンセプトスタジアム建設のプロジェクトの初期段階から、環境に優しい持続可能性に関する原則を取り入れることはできます。受動的・能動的な両方の方法によって持続可能性ポリシーを持ち込み得るエリアは、エネルギー、水、素材の三つに大きく分けることができます。エネルギー建設地の選定から設計、建築段階で用いられる手法や素材、そしてオープン後の日常的な実際の運用に至るまで、エネルギー消費量を削減するためにスタジアム・デベロッパーが取り得る手段にはさまざまなものがあります。移動手段自家用車の利用が減ればスタジアム全体の二酸化炭素排出量も削減されますので、公共交通機関の利用促進と最大限の利用を目的とするコンセプトの全てがメリットをもたらします。サービスシステムエネルギー効率の良い暖房、換気、空気調節システムはエネルギー消費量と運営費用を削減する上で欠かせません。
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