52ピッチへの良好な視界スタジアム設計に欠かせない条件として、全ての観客席にフィールド全体を見渡せる良好な視界を提供することがあります。従って、各座席からの視界の最適化に十分な配慮が必要です。第一の目的は観客とピッチとの距離をできる限り短くして、視界を妨げられずに全体を見渡せるようにすることです。UEFAとFIFAは、全ての主要主催競技会に関して、ピッチとの距離が190mを超える座席や視界に障害物がある座席を収容人数計算の対象から除外しています。◦ピッチからの距離視界の良さはピッチから観客席までの距離に明らかに依存します。しっかりとしたスタンドの構造とは、ピッチから最も遠い位置にある座席との距離も最短に抑え、観戦体験のクオリティー向上と熱狂的な雰囲気づくりに寄与することを目標とするものです。UEFAやFIFAが規定する最大距離以内に観客席を配置することを常に念頭に置かなければなりません。◦視線のクオリティー:C・バリューC・バリューとは、一般的に「視線」と呼ばれる、前列に座る観客の頭越しに見える視界のクオリティーを示す可変数です。原則として、C・バリュー値が高いほど視界がクリアになる、つまりピッチが良く見渡せると理解されます。優れたスタジアム設計はスタンド全体において非常に高いC・バリュー値を持つことになります。しかし、C・バリュー値を高めようとすると、スタジアムの全体的な高さと幅も増えてしまう場合があります。一般的な方程式は以下のとおりです。C=C・バリュー値D=座席の観客から焦点(ピッチの端)までの水平距離N=座席のある列の1段ごとの高さR=座席の観客の目の高さと焦点(ピッチレベル)との間の垂直線上の高さ。T=座席のある列の奥行き優れたC・バリュー値を得るためには、席に座っている観客の目の高さと前列の観客の頭頂部との間に90ミリ(許容値)から120ミリ(理想値)の間隔が必要です。C・バリュー値の算出に慣れており、視界を最良化する術を認識している設計者が作業に当たるべきでしょう。◦障害物のない視界全ての観客が視界を妨げられずにピッチ全体をよく見渡せる必要があります。しかし、法で定められている手すりやその他の設置物がピッチに対する観客の視界に入り、軽度の障害物となるケースがあり得ます。座席の位置によっては、柱、屋根関連、ピッチ周囲の広告看板、スコアボードといった構造上の設置物が観客の視界に影響を及ぼす場合があるでしょう。前述のように、こうした座席はいかなるUEFA競技会に関してもスタジアム収容人数の計算対象とはなりません。- RD + TD (N + R)C =設計上の主な要素およびスタジアムの機能配置
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