46設計上の主な要素およびスタジアムの機能配置:1ピッチの設計フィールドの方角フィールドの方角を決める際に最も考慮すべき点は太陽や通常の風向きに対する位置関係です。欧州では一般的に南北の方角にゴールを置く位置取りが最適とされています。夕方に差し込む西日が目に入ることで一方のチームが大きなハンディを背負うことがないようにするためです。ゴールポストを南北に置いた場合、主要なテレビカメラは西日の光による問題を回避するため、西側のメインスタンドに設置することになります。スタジアムとフィールドが屋根で覆われていない場合には、南北の軸からのずれを最小限に抑えることが重要です。その場合、南北の軸から15度以内が一般的な基準とされています。一般的に推奨はできませんが、建設用地固有の制限によってゴールが東西になる場合があります。その場合、テレビカメラへの悪影響Cフィールド面積フィールド標準サイズピッチ:105m×68m全体:120m×80mを最小限に抑えるために、ピッチ上にできる日なたと日陰のコントラストをできる限り低減する特別な措置が必要となります。ピッチエリアUEFAのピッチサイズ基準は105m×68mです。ピッチの外周(芝または人工芝)には最低1.5mの余幅が必要です。これらの寸法は世界的に受け入れられており、必須条件と認識するべきでしょう。UEFAとFIFAは共にピッチ境界域と観客席最前列との間に外周エリアを設けることを求めています。距離に関する規定も存在しますが、原則としては、観客はできる限りタッチラインに近い位置で観戦でき、なおかつ選手や審判の動きが妨げられることのない距離を取ります。実際的数値で表すなら、ゴールライン後方には約7.5m、タッチライン後方には約6mのスペースが必要になります。従って、ピッチおよび観客席最前列までの周辺エリアを含めたフィールド面積は120m×80mが最低サイズとなります。大きなイベントや注目度の高い試合が開催されるスタジアムであれば、報道陣の数も増えますので、最低125m×85mのサイズが必要だと考えるべきでしょう。チーム更衣室が設置されている側のスタンド前のタッチライン沿い外周エリアには、二つのチームベンチ、審判員用エリア、控え選手のウォームアップ用のエリア、テレビカメラ設置位置も含まれていなければなりません。残る3面には広告看板、テレビカメラ、フォトグラファー、警備スタッフ用のスペースが必要です。外周エリアには人工芝の使用も可能です。副審やウォームアップを行う控え選手の動きによってタッチライン沿いの芝がはげてしまう事態を避ける一助にもなるでしょう。設計上の重要事項ピッチの設計はスタジアムが置かれている地域の環境を考慮した上で行われなければなりません。極度の異常気象は別として、その地域の天候に耐え、シーズンを通して快適に使用できるよう、芝の状態を保つことができるピッチをつくることが目標です。可変的要素には平坦さと傾きの度合い、水はけの良し悪し、芝の種の選択などが含まれます。これらは国や地域によって異なる要素です。適切な日光量と通気も非常に重要です。見た目とは違ってピッチは完全に平らではありません。適度な水はけを実現して、かつては大きな問題となっていた水浸し状態を避けるために、勾配屋根のように非常に微妙な傾斜がついているのです。緻密に設計された地下および表面の排水システムの導入が必要になります。加えて、専用の散水システム(スプリンクラー)がピッチ全域をカバーできるように設定されていなければなりません。異なる箇所には異なる水量が必要になることも考えられることから、部分的な散水も可能でなければなりません。ピッチ設計上の解決策は国によって異なります。降水量の多い地域
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