43危機管理および安全対策スタジアムの将来的な利用法と融通性主として1980年代にスタジアムで起きたいくつもの惨事への反省から、今日のスタジアム設計において絶大な重点が置かれるのは観客の安全です。サッカースタジアムは、多種多様な業務と活動が同時進行するという点において非常に複雑な構造体です。それら全ての動きに関連当局と救急サービスがいかに対応するかは、スタジアムの立地条件、構造、そして都市事情に大きく左右されます。警察、消防隊、医療スタッフ、スチュワードおよび他の警備スタッフは、緊急時に最も協調的で効果的な対応が取れるように、緊密に連携して職務に当たらなければなりません。初期の段階から、きちんと整理された、総合的な安全・危機管理体制が実現されていることが不可欠です。上記の全サービス関係者には、新スタジアムの基本設計の段階から参画させるべきです。それにより、構造的な安全対策上大切なあらゆる要素を前もって特定し、それについての対策を講じることができるでしょう。警備計画とライバルチームのファンの隔離策にも格別に注意を払う必要があります。これらは地元当局と警察の協力のもとに行われるべきものです。建設地の選定はスタジアムの将来的な利用法も十分に考慮した上で行う必要があります。スタジアム・デベロッパーが、ある時点で収容人数の増加を考えることもあるでしょうから、そうした事態に対応できるだけの広さと柔軟性を備えた用地でなければなりません。サッカー以外を目的としたスタジアム利用の計画も慎重に検討する必要があります。建設に関する必要事項に大きな影響を与えかねないからです。ただし、一般的に小規模なスタジアムの場合は関連性:3:4BBが低くなります。ピッチの周囲に陸上競技用トラックを設ける計画は、全体的な設計範囲に大きな影響を及ぼすとも考えられます。入場可能数、観客席からの視野や距離といった要素に関する影響の度合いを注意深く考慮しなければなりません。建設地と立地条件
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