UEFAガイド:良質なスタジアム建設の手引き
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38アクセス試合やその他の主要イベントの開催当日には、ある時間帯に大勢の人々がスタジアムを目指して移動することになります。普段よりも多くの人と車がスタジアムへの往来とその周辺での移動を必要としますので、当然ながら、地元の交通事情や交通インフラに大きな負荷がかかることになります。そこで、既存の地元インフラ(道路、鉄道、地下鉄、さらには空港から歩行者の通り道まで)の状況と交通量が増えた場合の適応能力を注意深く調査分析しておくことが極めて重要です。その結果がスタジアム・デベロッパーと地元当局に建設地の適合性を判断するための材料となるのです。必要とされる交通インフラが既に完備されている建設用地を見つけることは困難なので、新たな道路工事が必要となるケースも多いでしょう。スタジアム・デベロッパーが、建築許可が下りる前の段階で、一般道路網のグレードアップに必要となる大規模な工事に伴う費用の一部または全額を負担しなければならない場合もあります。公共交通機関網建設地がどこであれ、スタジアムが中規模以上であればなおさら、公共交通機関網は必要不可欠です。今日ではサッカーファンの大半が公共交通機関を利用して観戦に出掛けるようになり、その傾向は強まり続けています。ですから、鉄道と地下鉄の駅やバス停からの距離が近いことや、他の交通手段が利用しやすいことは大きな利点となります。公共サービスの供給スタジアムへの電気、ガス、水道、ごみ回収などのサービス供給先との接続は、接続と供給までに発生する費用や必要事項を計算に入周辺の施設とアメニティー設備建設地を選ぶ際、既存の施設やアメニティー設備の種類と質が大切な留意事項になります。試合当日のサポーターへの配慮から、また、より一般的には他のイベント開催時にも会場としての魅力を高めるという観点から、レストランやバーが充実しているエリアが理想的です。十分な数のホテル、その他のサービス施設やアメニティー設備の存在は、ビジターチームとそのサポーター、メディア、審判員、関係者などにとって有用です。スタジアムの近くに病院、警察署、消防署などがあることも利点となります。建設地と立地条件れることができるよう、用地取得の前段階で明確にしておく必要があります。地域における公共サービス網の現状と将来的な許容量も早期に把握しておくべきでしょう。スタジアムにおける電気、水道、下水処理のニーズは非常に高く、地元供給元の許容量を超えてしまう場合には、遠方からの供給が困難である上に費用もかさむことから、選択された建設用地の利用が現実的ではなくなってしまう恐れもあります。

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