37建設地の所有権建設地の法的所有権の所在を明らかにしておく必要があることには疑いの余地がありません。新スタジアム建設には広大な用地が必要で、求められる総面積を取得するために複数の区画を買い上げなければならない場合もあります。然るべき不動産譲渡権利書の取得と、取得した用地にローンの返済義務やその他の金融的および/または法的債務が残されていないことを確実にするために、プロジェクト弁護士が必要となります。建設地エリア用地はスタジアムを建設できるだけの十分な広さを持ち、周囲にも歩行者のスムーズな移動を可能にするだけのスペースを有している必要があります。将来、他の目的での利用や収容人数拡大に対応できるよう、スタジアムが柔軟性を持ち合わせていることも重要です。スタジアム存続期間の長さを考えれば、将来的に起こり得るあらゆる事態(大規模イベント開催、スタジアム拡張、屋根の追加など)を想定しておくことが大切なのです。従って、隣接する土地を取得する可能性を含めた用地の全体的な広さを建設地選定時に考慮する必要があります。建設地の地形建設用地の地形または物理的な形状は非常に重要です。理想的な用地は、費用がかさむ大掛かりな土木作業を必要としない広くて平坦な土地です。少しでも傾斜がある場合には、充填や擁壁が必要なのかどうかを明らかにしなくてはなりません。地質と過去の利用法建設地の地質を正確に把握しておくことは極めて重要です。地形測量だけでは明らかにできない潜在的な問題(地下水面の高さや地耐力など)があり、早期に特定できずに後になって対処を強いられた場合にはプロジェクト費用が大幅に増加してしまう可能性があります。詳細な地質調査によって、用地の土壌に変化をもたらしかねない充填、廃棄物投棄、その他の情報開示されていない問題などが過去にあったかどうかを確認することができます。それらを緩和するための障害物除去や廃棄物処理は用地の正味費用を相当に高めることになりかねません。工業地帯にあり得る汚染は深刻な問題であり、取り除くためには費用のかさむ除去方法を取らなければなりません。計画と建設規制建設地の検討時には、スタジアム・デベロッパーは関連する都市計画や構想案を含む最新の建設規制と付属定款を入念に確認する必要があります。これらの文書の理解と解釈に精通したコンサルタント(建築家や都市計画家)の協力を得て確認するのが望ましいでしょう。国によっては、地元地域のインフラとコミュニティーに与える影響も建設規制に取り込まれており、その用地がスポーツ関連の建造物に適しているかどうかが指摘されている場合もあります。これによって、スタジアム・デベロッパーは用地の適合性を評価することに骨を折る手間が省けるかもしれません。用地がスポーツだけではなくプロジェクトで想定されている商業活動にも活用できるように十分注意を払うことが必要です。欧州には、場所によって商業目的での活用に関する建設規制が設けられている国もあります。建設候補地に関する建築上および法律上の規制は購入を決める前に明確に把握されていなければなりません。必要があれば、そのような規制の緩和を関連当局に交渉し、きちんとした許可書や合意書の形にしておかなければなりません。建設地と立地条件
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