35建設地と立地条件地元コミュニティー地元コミュニティーとの融合プロジェクトチームはスタジアムへ試合観戦に訪れるファン特有のニーズはもちろんのこと、地元コミュニティーの一般的なニーズもしっかりと把握しなければなりません。プロジェクト開始当初から、警察署や消防署といった地元の関係当局や主要サービス提供者、そしてコミュニティー代表者との間に良好な関係を築く必要があります。地元コミュニティーに対して、騒音公害、試合当日の混雑、公衆の安全といったデリケートな問題に関して、心配はないと理解してもらうことにも十分に心を配る必要があるでしょう。地域住民には、警備活動が威圧的でないやり方で効果的に行われるという点も理解してもらわなければなりません。地元の住民や企業に新スタジアム建設が地域にもたらすメリットをしっかりと認識してもらうとともに、試合日に起こり得る問題に対する彼らの不安に向き合うことが重要です。こうした事柄に対する慎重かつ効果的な管理によってネガティブな側面を軽減することができます。このプロセスで大切なことは、地元コミュニティーの代表者と定期的に意見交換を行うことであり、最終的な目標は、配慮の行き届いた設計に基づくスタジアムは地元の誇りとなり得るのだと理解してもらうことです。スタジアムの周辺エリアを含めて景観デザインを行うことには強い説得力があるでしょう。それによってスタジアムが与える視覚的なインパクトが改善され、地元コミュニティーの受け止め方に前向きな影響を及ぼすことになるからです。地元コミュニティーへの貢献近代的スタジアムの第一目標は地元コミュニティーと近隣エリアに欠かせない要素となることにあります。スタジアム新設または改修の計画は、地域住民にとってのアメニティー設備拡充や地元再開発の触媒となることによって、地元コミュニティーにもたらすメリットと価値を最大限に高めることを目的としなければなりません。プロジェクト開始当初から、入念な市場調査を実施する必要があります。地域に前向きな影響を与える雇用機会の創出、レジャー設備やスポーツ関連以外の設備の拡充といった、直接的あるいは間接的に地元コミュニティーに経済的な恩恵をもたらす最善策を見つけ出すのです。優れたスタジアムとは、コミュニティーの日常生活の一部となり得るものでなくてはなりません。また、雇用機会を提供し、地元ビジネスにとっての資源であるべきです。託児施設、さらには医務室や救護室なども地域住民に解放することで地元の公益事業に大きく貢献するのもよいでしょう。日常的に敷地内の小売店や飲食売店を営業することもできますし、同様にスタジアム・コンプレックスに含まれているスポーツ用やレクリエーション用のエリアを一般に解放することもできます。スタジアムは他競技の試合、コンサート、地元開催のフェスティバル/イベント、あるいは結婚披露宴など小規模な家族イベントの会場としても利用できます。サッカー以外でスタジアムを利用する選択肢の幅は地元コミュニティーの特性に左右されますが、同時にスタジアム管理者の創造性にも依存します。要約すれば、豊かな発想と適切な計画に基づく多目的利用は、地元コミュニティーに付加価値をもたらすだけではなく、スタジアムの実
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