34建設地と立地条件新スタジアム建設地の選択一般的な留意事項建設地を決める前の段階で、新スタジアムが急速に変化する市場の将来的な動きに対応できるようにするために重要な判断を下す必要があります。基本的な立地条件、背景(都心部、副都心部など)、アクセスの便、周辺地域への環境面での影響といった事柄に関する判断です。それらは、収容人数、現在および将来の利用目的、見込まれる収益性といったスタジアムという建物に固有の項目を踏まえた上で評価されなければなりません。緊急時対策や避難時の誘導という観点から検討することも非常に重要です。これら一連の検討事項とその判断は、スタジアムとその周辺地域の将来的な開発に大きな影響をもたらすことになりますので、初期段階の重要書類、事業計画書からプロジェクト概要書までのどこかに盛り込まなければなりません。本プロセスにおいては、他の建設候補地も洗い出し、厳密な調査を行った上で最終的な建設地を決定する必要があります。立地条件建設候補地の立地条件は大きく三つのカテゴリーに分類できます。都市中心部、都市周辺部、郊外/未開発地域の3種類です。都市中心部とは町や都市の中心部を意味し、都市周辺部は中心から離れてはいても町や都市の境界線内にある用地を指します。郊外/未開発地域は境界線外を意味します。都市中心部の建設地都市中心部の建設地には公共交通機関によるアクセスの便の良さという明らかな利点があります。しかし、スペースが限られていること、また/あるいは地価が高いことから駐車場が問題となるかもし:1B都市中心部の建設地都市周辺部の建設地郊外/未開発地域の建設地れません。試合当日や他のイベント開催当日には、周辺に厳重な交通規制が敷かれる可能性もあります。地元の関係当局やコミュニティーとの連携を密にして確実に理解する必要があります。都市周辺部の建設地都市周辺部には、地価は下がっても公共交通機関によるアクセスの便はさほど悪くならないという利点があります。低めの地価は広めの用地を取得する可能性の高さを示しており、スタジアム敷地内の駐車場といった設備を視野に入れることもできるでしょう。スタジアムが比較的に人口密度の低いエリアに建設されることになるため、新設による周辺地域への影響もさほど大きくはなく、地元コミュニティーの反対に遭う危険性も少なくなります。全体的には明らかなメリットが多い都市周辺部ですが、最適な立地条件は各プロジェクト固有の事情と照らし合わせた上で慎重に評価されるべきです。郊外/未開発地域の建設地郊外の建設地には都市中心部よりもはるかに地価が安いという利点があります。明らかな憂慮すべき点としては公共交通網が限られていることによるアクセスへの影響があります。郊外の建設地を選択する場合には、ホテル、病院、鉄道駅、そして地元の空港からもあまり離れていない立地条件を考慮すべきでしょう。試合やイベント前後の交通混雑のピーク時に大きな渋滞地点を避けられるよう、十分な道路交通網が存在するかどうかの確認も重要です。道路インフラの改善が必要になった場合、地元当局がスタジアム・デベロッパーに費用を請求することもありますので、その場合には事業計画書と費用計画書にも反映しなければなりません。一方、メリットとしては多くの都市中心部建設地と同様に、大規模な用地取得による駐車場などのアメニティー設備や付加的な施設が充実する可能性が挙げられます。
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