26A:11ビジネスチャンススタジアムの商業化かつてのスタジアムは試合開催日にだけ利用される建造物でした。クラブのホームスタジアムの場合には2週間に1日、代表のホームスタジアムはさらに低い稼働率だったことになります。しかし、そのような時代は終わりました。近代のスタジアムは他にも日常的に収益を生み出す術を見いださなければなりません。加えて、近代的スタジアムが持つ第一の目的は、もちろん、最高水準のエンターテインメントに適した環境を提供することにあります。しかし、商業面での現実から、観客や来場者にスタジアムで最大限の時間とお金を使ってもらうようにすることを強いられるわけです。この点もスタジアム設計に取り込まなければなりません。スタジアムを最大限に「商業化」するためには、想像力豊かで精力的なアプローチ、専門家によるアドバイス、的確な市場リサーチ、そして巧妙なマーケティング戦略が必要とされます。スタジアム運用者は、地元コミュニティーだけでなく、広い市場のニーズを取り込むことで副収入源を見いだそうと、ますますクリエイティブな活動を模索するようになってきました。営業戦略は以下の項目を含みます。◦試合開催日以外の利用目的拡大。例えば、地元コミュニティー向けに、平日に施設を貸し出したりさまざまな活動を提供すること。◦コンサート、フェスティバル、他競技など、スタジアムで開催可能な他種イベントの特定。◦観客の飲食欲や購買欲をそそるバー、レストラン、売店の提供。◦プライベートのボックス席や豪華なケータリング設備など、VIP関連施設に潜在するビジネスチャンスの発掘。◦地元の企業や会議主催者向けのスタジアム施設の貸し出し。◦小売りとグッズ販売の最大活用試合当日の収益最大化スタジアム・デベロッパーが試合開催日における収益を最大限に伸ばすために検討すべき領域は以下のとおりです。VIPエリアVIP観戦者と関連施設設備はスタジアムにおける主要収入源となっています。VIPエリアには、上質のケータリング設備とトイレを備えたオープンプランの(間仕切りのない広々とした)スペースが含まれてもよいでしょうし、高級感のある座席へと直接出入りできることも重要です。VIP設備の規模と内容は地元のニーズやスタジアムの特性、そして対象とする観客層に適したものであるべきなのは言うまでもありません。スタジアム建設の戦略的判断
元のページ ../index.html#26