UEFAガイド:良質なスタジアム建設の手引き
25/160

25コンサルタントの任命コンサルタントの選定の方法はいくつかある中から選ぶことができます。ここでは、三つの主な方法の概要を示しておきましょう。設計コンペ設計コンペは、スタジアム・デベロッパーが必要としているサービスの種類に応じて、タイプの異なるコンサルタントを対象として行うことができます。そのタイプは大きく以下の3カテゴリーに分けられます。◦個人コンサルタント(例:建築家)◦幅広い専門性を備えたコンサルタント集団◦傘下で設計者と建設コントラクターの任命を一括化できる完全統合型の設計&建設パッケージ設計コンペは最も一般的な選定方法です。コンサルタントの腕前を直接確認できる上、実際のスタジアム建設プロジェクトで採用可能な設計案の選択肢も提供されることがその理由です。コンペは、クライアントが定める明確な要件と目的に基づいて行うこともできますし、コンサルタントが最適なソリューションを導き出すためにより設計能力と判断力を発揮しやすいよう、より自由度の高い形で行うこともできます。設計コンペは次の二つの形式のいずれかを取ることがあります。公開コンペスタジアム・デベロッパーが公募によってコンサルタントの参加を募り、設計案を提出してもらう形式です。資格制限は設けず、国内外の設計会社が公募の対象となります。スタジアムに特化した経験を持たない応募者も含まれることから、多くの設計案が寄せられる選定方法です。クライアントによって設計案が選ばれた会社がコンペの勝者となり、契約が与えられて報酬面での合意へと進みます。指名コンペスタジアム・デベロッパーが事前に選んだ複数の実績あるコンサルタントに対し、設計案作成に関する料金の支払いに合意した上で行われるコンペです。候補者が提出した設計案の中からコンペの勝者が選ばれ、契約が与えられることになります。カリキュラムと料金提案候補として選ばれたコンサルタントに、スタジアム設計に関する実績の説明と、クライアントの目標を達成する上で必要とされる各種コンサルティング作業に伴う全料金を提案する機会を与える方法です。この方法を取った場合、スタジアム・デベロッパーは最終的に選ばれたコンサルタントの協力を得て、新スタジアムに関する具体的な概要書と設計書を作成することになります。最善のソリューションを導き出す上で、コンサルタントの経験と知識による恩恵を直接的に受けることのできる方法です。直接発注スタジアム・デベロッパーが任命を希望する意中のコンサルタントが存在することから、コンペによる選定プロセスが省かれることもあります。特定のコンサルタントとの間に既に業務関係がある場合もあるでしょうし、コンサルタントが担当した過去のプロジェクト事例に十分な説得力があり、今回のプロジェクトにも最適な候補者だと確信している場合もあるでしょう。直接的な契約発注自体に問題はありませんが、コンサルタント料が入札による任命時に比べると高くなる可能性があります。とはいえ、設計/建設部門における料金規模は非常に透明度が高いものなので、直接発注の道を選んだからといって、市場での一般的な料金体系を逸脱した金額を支払わされる事態は考え難いといえるでしょう。逆に、建築家の人選に際しては“大物指名”を重視して極めて高い料金体系でもあえて受け入れるクラブもあります。有名建築家の手にかかれば、個性的でクオリティーの高いデザインが実現され得るだけでなく、ネームバリューという付加価値も加わることになるからでしょう。スタジアム建設の戦略的判断

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る