UEFAガイド:良質なスタジアム建設の手引き
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19も基本線での合意が形成されている必要があります。構想段階 – 半年この段階において、スタジアム・デベロッパーは、プロジェクト概要と費用/予算計画、さらには工事のプロセスや都市計画に関連する検討項目を確認するための基本文書を作成しなければなりません。これらの基本文書と制限要因に基づいて設計コンセプトを生み出す建築家とその他の専門領域のコンサルタントを任命することも必要です。この段階までに、スタジアム・デベロッパーは特定した建設用地を取得し、建設工事がスムーズに進むように当該地域の自治体やコミュニティーとの間で、前向きで円滑な意見交換を行っていることになります。設計段階 – 1年求められている水準のスタジアムが予算内で実現されるよう、詳細設計には十分な時間を割く必要があります。この段階では、地元の関係当局による建設プロジェクトの再考察も行われます。実際に工事を開始する前にライセンスの取得が必要であり、その申請作業には相当な時間を要する場合もあります。入札および/または工事が何段階かにわたる場合には、その必要性が事前に明確化されていなければなりません。 入札段階 – 3カ月この段階までにスタジアム・デベロッパーは、コンサルタントやアドバイザー陣と協力して、最適な建設業者を識別するための初期調査や可能性のある事前選択プロセスを開始していても構いません。同プロセスは地域内、全国、あるいは国際レベルで実施される場合もあるでしょう。プロジェクトの全容と詳細が確定してクライアントにも承認され、関連工事許可証の取得も完了すれば、入札告知を行うことになります。続いて入札提案を吟味し、追って工事費用と完成日を詰めるという相互認識のもとに入札した建設業者との間で契約交渉が行われて条件合意を見なければなりません。この段階の終了時には、建設業者が指定されて工事を始められる状態になります。建設工事 – 2年建設作業に要する期間(下準備、建設、そして検証から落成まで)は、スタジアムの大きさと構造の複雑さによって大きく左右されます。この段階において、完成後のスタジアムが地域の建造物規制やその他の法的要件に合致し、即座に使用可能な状態となっているよう、必要となる全ての安全証書と職業ライセンス、そして建築確認書を取得しておく必要があります。スタジアム引き渡し – 3カ月建設業者からスタジアム・デベロッパーへの引き渡し前の時点で、スタジアムの建築家とエンジニアが潜在的な問題点の洗い出しを大方済ませ、業者が必要な修正作業を施していることになります。引き渡しが済むと今度は、スタジアムの管理チームが新スタジアムに適応し、サービスや機器設置の具合を新環境に合わせて微調整するための時間が必要になります。公共施設(電気、水道など)がきちんと供給されて使用可能な状態になっていなければなりません。また、設備やサービス(ケータリング、小売り、その他公共設備など)によっては、特別な許可証やライセンスの必要なものがあり、それを得るには安全点検を受けて合格しなければならないのです。アクセスやセキュリティーの管理については確認と検証を行って、全ての規制を満たすようにしなければなりません。テストマッチスタジアムの最終引き渡しとこけら落としが行われる前に可能性のある問題点を指摘できるよう、少なくとも1試合はテストマッチを行うことが望ましいでしょう。最初のテストマッチは、観客数を制限して控えめに行うのが無難です。引き渡し後 – 半年建設業者による正式な引き渡し後には、管理チームがスタジアムにおける全てのサービスと装置をテストするための重要な期間が存在します。スタジアムの完全稼働を確認し、設備を問題なく機能させるために何らかの追加作業が必要かどうかを見極めるチャンスとなります。スタジアム建設の戦略的判断

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