TOPCS-今年も豪雨などで中止や中断になった試合が多くありました。気候変動問題を何とかしないと、といっても簡単に何とかできるものではないですが、サステナビリティについては、イングランド プレミアリーグがかなり先を進んでいる感じがあって、コミットメントの度合いがかなり高い。それは気候変動問題について、クラブというよりは社会全体でそこへの重大な意識を持っているからこそ、地域の中心であるサッカークラブが意志をしっかりと示さなければいけない、という気持ちが強いのだと思います。そこは見習わなければいけない部分だと思っています。日本人にとってはまだなじみがないのかもしれないですが、リーグとクラブ全体で、それを常に大事なものとしてやっていくことが必要だと思っています。-Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supportedby 明治安田が開始しました。私としては、セルジオ越後さんが昔、全国を回っていたというのはすごいことだなと思っていました。どのようにサッカーを普及していくかということも含めて、あれは「見せられる人」が絶対やった方が良い。私は以前から小野伸二特任理事にはこういうことをやってもらいたいと思っていました。現代風にしたときに、サッカーの楽しさだけではなく、サステナブルなこともリアルに子どもたちに少しでも届くように伝えていった方が効果があると思いました。サッカーを見せるという部分では“シンジ”は適任だと思っています。-クラブの経営陣の方々はいろいろ考えることが多く、頭をフル回転させるシーズンになりますね。そうかもしれません。われわれもそうです。でも何かが変わるときには、絶対にチャンスがあるはずなので、それを見つけて生かす、考えようによってはすごく楽しい時期かなとも思います。スタジアムでの観戦や試合中継を見てくれるなど、新しい年も、より多くの人に関わっていただけると思います。新規のファンも含めたファン・サポーターの皆さまにわれわれが良いものをしっかり届けていく。その繰り返しの作業をよりバージョンアップできるかどうかが肝になります。-来シーズンはシーズン移行の前年で、2月開幕が最後となります。どのような1年になりますか。現在のシーズン制の最後の年だから特別なことはないです。選手や現場は目の前の1試合、目の前の1シーズンを今まで通り必死にやってほしいですし、それで良いと思います。その思いで目の前の1試合ずつをやっていくというのが現場の性質です。クラブやリーグ、その周りの人たちが、次の何年後の準備をしっかりと今まで通りやっていくということの繰り返しで良いのではないでしょうか。どこまで先を意識して進んでいくかをフロントサイドの人たちがしっかり用意してあげることが、選手たちのためにも絶対に必要となるはずなので。I092025シーズンに向けてフットボールのトップの人はもっと感じた方が良いと思います。また、世界トップレベルのリーグ、クラブと共に、同じようなことを考えるということも大事なので、選手や監督だけではなく、フロントスタッフも含めて世界とJクラブをつなげていくことをしていきたい。外資をどう獲得するかということも重要なポイントです。-積年の課題だった選手契約が大きく改定されました。もちろんABC契約が設定された時代背景は理解していますが、1999年からなので、もう25年も前のことです。その当時の世界のサッカーシーンにおけるJリーグと今はもう全く違うわけで、できる限り早く検討したいと思っていました。もちろん、全部撤廃できれば良いのですが、25年も続いてきたものをすぐに無くすとなると、一筋縄ではいきませんでした。前年に加入した選手と翌年の選手で大きく報酬が違ってくるのは論理的にもおかしいので、徐々にそれは撤廃されるでしょう。選手に価値があると判断するのはクラブの責任であって、それは日本でも、世界の国でも、誰がどう価値をつけるかというのも、競争です。ある意味では当たり前のことです。また、選手にはより魅力的に見える世界でないといけない、と思います。-クラブの競争も促されることになるでしょうか。社長やGM、SDは、これからより実力のある人が評価される時代になっていくのだと思います。選手の年俸を決めるということは、彼らが、どこにどう投資をするかを考えるうちの一つでしょう。やはりJリーグが国内のエンターテインメントとしてだけやっているわけではない、ということが分かったら、Jリーグも変わってきたということなのだと思います。気候アクションへの取り組みがスタート
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