IILISUSTANABTY-スタート時の4クラブから今年は20クラブと輪が広がっています。その間の変化や感じることはありますか。吉村 クラブや選手への激励の横断幕を制作する、敬老の日の特別企画“人生の先輩からのエール”企画を2022年から10クラブでスタートして、翌年から20クラブに増やしていただきましたが、その企画自体も次第にパワーアップしました。Be supporters!の応援プログラム自体もブラッシュアップしながらより魅力的になって、クラブからアイデアがどんどん生まれました。これが「地域の誰かのためになっている」と思ったときのクラブの方々のエネルギーというのが、規模拡大にすごく影響があったと思います。83提供:鹿児島ユナイテッドFC提供:鹿児島ユナイテッドFCいたことで良い具合にスタートできたのかなと思います。地域の課題をパートナー企業や地元の皆さんと一緒に解決していく場があるわけです。その環境がサッカー、Jリーグの持つ価値だと思いますね。-お二人とも4年近くこのプロジェクトに関わっていますが、印象深かったエピソードなどありますか。吉村 たくさんありますけど、神戸の施設で応援している“テルコさん”という方が、2022年にヴィッセル神戸に所属していた藤本憲明選手のことが大好きで、2023年に鹿児島ユナイテッドFC(2016-2017年も鹿児島に所属)に移籍した後もずっと応援をしていました。それを見ていた施設の方が「それなら鹿児島に行って応援してもいいのでは」とアイデアを出してくれたのです。テルコさんがBe supporters!での応援を通して、いろいろな人と優しくコミュニケーションが増えたり、新しい一面を職員さんも知るようになりました。そして、もっと応援したいよねということから、職員さんと一緒の鹿児島行きを9月末に実行しました。費用は施設がクラウドファンディングで集め、鹿児島のサポーターが中心となって支援してくれました。吉村 現地でもサプライズで「テルコさん、おかえりなさい」とファン・サポーターが迎えてくれたり、藤本選手のグッズをプレゼントされたり。前日に藤本選手もXで「待ってるね」とメッセージを送ってくれました。そういう姿勢がすてきなつながりになっていったのがすごく印象的でした。青山 特定のエピソードではないのですが、高齢者の方々はもちろん施設の皆さんがすごく楽しそうに参加してくれるのが印象的で、施設の皆さんは普段は支える側でご苦労も多いでしょうが、その中で利用者の方々と周囲につながりが生まれ、生き生きとしていくことが喜びだと思うし、Jリーグの試合やクラブに触れることでわくわくする。Jクラブがそういうところで役に立つ、なおかつ離職率が下がる、Be supporters!をやっているなら働きたいという声もあると聞いて、この活動がまた違う課題を解決する一助になっているのがすごく良いなと思います。
元のページ ../index.html#83