J.LEAGUE SEASON REVIEW 2024
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IILISUSTANABTY「Be supporters!」-まずは自己紹介をお願いします。吉村 サントリーウエルネス経営企画本部の吉村です。Be supporters!のメイン担当をしています。青山 Jリーグサステナビリティ部社会連携グループの青山です。2007年ごろからホームタウンの業務に関わり、その流れで2018年のシャレン!の立ち上げからこの分野に携わっています。-Be supporters!の取り組みは、サントリーウエルネスさんが2020年12月に富山で始めました。その経緯や背景を教えてください。吉村 人生100年といったときに、どうしても健康寿命を延ばそうと82日本では、人口の29.3%※が高齢者という高齢者化社会が進んでいる。サントリーウエルネス株式会社とJリーグは高齢者施設で過ごす高齢者や認知症の方など、普段は周囲に「支えられる」機会の多い方が、サッカークラブの「サポーター」になることで、クラブや地域を「支える」存在になっていくことを目指すプロジェクト「Be supporters!」の活動に取り組んでいる。「支えられる人から支える人へ」をコンセプトとして、2020年12月にサントリーウエルネス株式会社が4つのJクラブと協働してスタートした本取り組みは、2024年には計20クラブが参加。「いくつになってもワクワクしたい、すべての人へ。」という言葉の下に、その輪が広がり続けている。Jリーグメンバーとともに、「Be supporters!」のメイン担当であるサントリーウエルネス株式会社 吉村様にお話を伺った。※2024年9月16日時点、総務省いう予防の領域を考えますが、それだけでは幸せになれないのかなと思っていて。そのような課題感があったところに、Be supporters!の話を聞きました。「人間の生命(いのち)の輝きをめざし」を掲げている私たちだからこそ“予防”に加え、施設に入ったり、認知症の状態になったとしても、一人一人が輝くことをサポートする、“共生”にチャレンジできないかという思いで始めました。-当初は4クラブでスタートしました。吉村 その中のカターレ富山と一緒に応援会をやってみたのが2020年12月です。普段は、施設内のレクリエーションに参加しなかったり、部屋にこもりがちだった方に「ユニフォームを着てみますか」と声を掛けると「私も着てみる」と笑顔になって。職員さんもすごく可能性を感じて、また来年もやってみようと2021年から本格的に始まりました。-インクルーシブな社会の実現や、サッカー、スポーツだからできることがこのプロジェクトの肝だと思いますが、そのパワーをどのように感じていますか。青山 シャレン!が立ち上がり、2年目の重点テーマ4つの中のひとつが高齢者でした。それでBe supporters!という企画をやってみようということで、一緒にやってくれるパートナー企業も見つけたい。それと並行してクラブにも企画を提案しました。2006年に改正介護予防保険法が成立して、厚生労働省から「Jリーグさん、一緒にやってくれませんか」と依頼があり、翌2007年にJリーグ介護予防事業がスタートしました。国からの補助金を財源に2年で終了しましたが、その後自治体から受託するなどして継続して実施しているクラブも多く、この経験がBe Supporters!に取り組むベースにもあるのではないかと感じます。Jリーグの良さは全国にクラブがあり、シャレン!という考え方は二者じゃなくて三者以上。今回でいうとクラブ、Jリーグ、サントリーウエルネスさん、自治体、施設の皆さんなど。そういう機能を私たちが持ってインクルーシブな社会の実現に向けて

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