J.LEAGUE SEASON REVIEW 2024
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TOPCS-ルヴァンカップの大会方式変更で全60クラブが参加する形になりました。私は、もともと60クラブみんなが参加した方が良いと思っていましたので、とても良い形式だと思っています。あとは、地域のJ2・J3のクラブに対して、J1クラブの空気を、その地域でも感じてもらえたらとずっと思っていましたので、今年変えられたのは良かったなと思います。また、印象やインパクトでは、パートナー各社にも十分満足してもらえるものは提供できたと思います。そして、J2・J3のクラブでも勝てば上のカテゴリーのクラブと試合ができる、勝つと良いことがあるという当たり前のことを、いくつかのクラブが体験できたのは、すごく良かったと思います。選手や地域の人にJ1を感じてもらうこともそうですが、経営面でローカル、下のカテゴリーのクラブが収入を得ることのできるチャンスが生まれました。平日の夜の試合に関わらず入場者数が7,677人ととなった鳥取のようなクラブは、運営面でも初めて分かることもあったと思います。ファイナルが素晴らしかったということも含めて、トータルですごく盛り上がった大会になったと思います。-Jリーグが掲げている2つの成長戦略について伺います。トップクラブには、サッカーの競技成績でアジアでも圧倒したり、国内を代表したりする部分はもちろんあってほしいですが、そんなに簡単にはいかないと思います。それを実現するためには、クラブの実力、実体が成長しないといけないので。例えばトップ10の入場者数も、魅力を感じてくれるからお客さんが増えるのであって、そこに来てもらえるだけの器、つまりスタジアムが、良いものが用意されているから、そこに多くの人が集まれる。そこをどうやってここからの10年で、クラブ単体での実力をつけていくかというところはすごく重要だと思っています。2023年と比較して114.4%と、過去最高の入場者数になりました。これも、望む世界観に近づいているのだと思います。-スタジアムの魅力という部分ではサンフレッチェ広島、V・ファーレン長崎、ツエーゲン金沢の新スタジアムが開業しました。スタジアムが大事だということはもう間違いない事実です。そして、それは一回造ればそれで良しではなくて、スポーツビジネスをやっていく中では、少しずつバージョンアップしていかない限り、やっぱり止まってしまう。世界の方もピタッと止まってくれるならそれでいいけれど、そうじゃない中で競争をしていくなら、スタジアムというのはすごくI08大事なものです。クラブが急激に大きく成長するいくつかの要素がある中の一つが、新スタジアム。広島、長崎、金沢はその成長するチャンスを得たのだと思います。長崎は残念ながらJ1昇格に届きませんでしたが、上のカテゴリーに行くのではないかと期待させるだけの何かは持っていました。あのスタジアムに行きたいということも含めて、やはりフットボールが今まで見ていたものとは、違うものに見えるはずだと思います。-欧州拠点としてJ.LEAGUE Europeも本格的に稼働します。世界のサッカーマーケットで勝負していこうとするなら、最先端というか、欧州とどのようにつながっていくかということは、もう当たり前で、不可欠なことだと考えています。日本人選手やJリーグというものを、欧州をはじめとした海外ではまだ正確に捉えられていないと思います。日本人選手が移籍で金額的にも過小評価されているという点もあるのは事実なので、自分たちをよく知ってもらい、向こうの良いところを近くで体感するということは絶対に必要だと思っています。世界とよりつながるために現地、今回はロンドンにオフィスを置いて、いろいろな活動を行います。物理的に遠く離れているということと、日本が今まで国内の競争意識が強かったあまり、世界にどんな監督がいて、どんな選手がいるか、サッカーがこう変化していくだろうということを、スポーツダイレクター(SD)やゼネラルマネージャー(GM)など、新方式になったルヴァンカップさらなる成長に向けて

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