J.LEAGUE SEASON REVIEW 2024
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TOPCS-明治安田J1リーグではヴィッセル神戸が優勝しました。昨シーズンに続く2連覇となります。各クラブの実力差が大きくない中での連覇はすごいと思います。やはりクラブが投資をして勝つというのは、プロとしての本来の姿だと思います。海外でもプレーした選手を中心に頑張ってきた中、山口蛍選手や酒井高徳選手はけがで欠場することも多かったですが、大迫勇也選手と、Jリーグ最優秀選手賞の武藤嘉紀選手の存在は際立っていました。終盤戦の第37節、柏レイソル戦で武藤選手が決めた同点ゴールなど、大事なときに仕事ができるというのは大きい。天皇杯(JFA第104回全日本サッカー選手権大会)との2冠も達成して、勝てる集団という感じがしましたね。本当に強いというイメージが周りにも伝わったのではないでしょうか。-連覇達成で、今後は一つの時代を引っ張っていくような存在になりそうですね。そうなるかもしれません。でもサッカーのクラブは、選手は1年、1年、I062024年のリーグ戦を振り返って-2024シーズンは年間総入場者数が過去最多の12,540,265人を記録しました。もちろん20クラブになったJ1の試合数が増えているということはありますが、JリーグYBCルヴァンカップなどJリーグが今までやっていた試合を含めて考えても、お客さんの数が増えているというのが、一番良いことですね。J1は20クラブにしたことで、地域での露出という観点からも、いろいろな地域でより多くJ1の空気が日本中に伝わったかなとは思っていますし、J2・J3のクラブがある各地域での露出が増えたことも、結果につながっていると思います。-メディア露出が増え、Jリーグを目にする機会も多くなった印象です。私がチェアマンに就任した3年前よりもローカルで約4倍という数字になっています。それだけ自然とJリーグに触れる回数は増えているのかなとは思います。あとは、首都圏にいるファン・サポーター、またはファンになる可能性のある人たちへのアプローチのきっかけとして、国立競技場での開催がうまく作用していると思います。初めてJリーグの試合観戦に訪れる人や、昔、Jリーグの試合に来たことがあるけど、最近は来場していなかった人たちに一定数足を運んでもらっています。その人たちが、再び国立競技場の試合に来る、あるいは国立競技場以外のホームゲームに行っている割合というのも、しっかりデジタルで追えていますので。-招待キャンペーンの効果は大きいでしょうか。一昔前とは時代が変わって、デジタルマーケティングをどのくらい精度高くできるかというところが、今このタイミングでのポイントだと思っています。若い世代も含めたデジタルでの集客は、仕組みとしてリーグもクラブもできるようになりつつあります。そこだけでは足りないので、地上波の露出を生かして、どのようにデジタルの方にも興味を持ってもらうようにしていけるかという、露出とデジタル投資のセットが今の勝ち筋かなと思っています。年を重ねていくので、若い選手、新たな中心選手をどうチームの中に置いていくかということがうまくいくと、強くあり続けることができるのではないかと考えています。-J1で2位はサンフレッチェ広島。一時は首位を走りました。広島は本当に良いチームをいつもつくる印象です。ミヒャエル スキッベ監督体制になって3年目。日本における新しいフットボール的な要素も見せてくれて、本当に素晴らしい。スタジアムも新しくなって、クラブとしても日本を引っ張っていく可能性を十分に見せたと思います。この15年ほどの間、フットボールにおいては良い影響を最も与えたクラブの一つだと私は思っています。それに加え、スタジアムビジネス含めクラブの売上高が約2倍になる見込みです。クラブにとっても転換期かもしれませんが、日本のフットボールにとってもすごく大きな転換期の一つになるようなシーズンじゃないでしょうか。総入場者数最多を記録~新たなステージへ。Jリーグの1年を振り返る~チェアマンインタビュー

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