J.LEAGUE SEASON REVIEW 2024
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FOOTBALL-日本人主審が海外で笛を吹いた試合もありました。扇谷 「彼らにとっても海外でジャッジをする経験は必ずプラスになると思っています。アジアサッカー連盟(AFC)や国際サッカー連盟(FIFA)のアポイントだけでなく、海外の試合やセミナーに行かせていただきました。コパ・アメリカ(南米選手権)の直前にはメキシコ対ボリビアの親善試合にJリーグとJFAが協働して、荒木友輔主審をはじめとする審判団を派遣しました。あれくらいの規模のフレンドリーマッチはそうそうないですが、そういった試合を今後もできればと思います」-今のJリーグは海外を意識することでレベルアップを目指していますが、その点は審判も同じですね。38扇谷 「まさに一番考えさせられたのは、試合でレフェリーがどう存在感を発揮し、ゲームをコントロールするかでした。日本人同士だと言葉も通じるし、いろいろなことも言えるのですが、海外のレフェリーはそうはいかない。ただその中でも彼らがどのようにコミュニケーションを取りながら、試合を成立させていくか。ただ90分で終わらせるのではなく、どう試合の魅力を引き出すか。その点は非常に考えさせられました」-おそらく審判の基準の違いもあると思いますが、日本人審判だったら抗議を受ける場面でも、海外の審判だからこそ受け入れられていたような試合もありました。選手の姿勢も異なるように思われましたが、どう感じていますか。足立 「僕もそれは少し感じていて、選手も意識を変えないといけない部分があります。もちろん日本人レフェリーの方々にも凛としたものを持っていただきたいし、基準をスパッと見せてほしい部分はあります。ただ、われわれがもっと呼び掛けていかないといけないと思うのは、選手がプレーを続ける姿勢ですね。トップレベルの選手は倒れても笛が鳴らなければすぐ立ち上がってやるわけです。お客さんも含めてそういうところに感銘を受けるだろうし、われわれもレフェリーに求めるだけではなく、そういった基準を高めていきたいです」足立 「やはりチームだけ、選手だけではレベルアップできませんし、レフェリーも一緒にレベルアップしないと国のレベルは上がらないと思います。若い審判員を育成していくというところでも、選手と同じように基準を高めないといけないと思うので、JリーグとJFAが協力してその環境をつくっていきたいですね」

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