J STATS REPORT 2024
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8OVERVIEW 2024明治安田J1リーグは、10シーズンぶりに最終節で3チームに優勝の可能性が残される混戦のシーズンとなった。その三つどもえを制したのはヴィッセル神戸。大半を首位で過ごした2023シーズンとは一転して追う立場となる展開が続いたが、第35節にトップの座を奪還し、その後は譲ることなく戴冠。史上6クラブ目となるJ1リーグ連覇、さらには天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会との2冠を達成した。 頂点にはあと一歩届かなかったが、最後まで優勝争いを繰り広げたのはサンフレッチェ広島とFC町田ゼルビア。前者は攻撃面で、後者は守備面で秀でたスタッツを残した。3シーズン連続となるトップ3入りを果たしたサンフレッチェ広島は、昨シーズンの42得点を大きく上回るリーグ最多の72得点を記録。無得点試合数は3とリーグで最も少なく、複数得点試合数は20でリーグ最多タイと、シーズンを通して安定した高い得点力が目立った。史上初のJ1初挑戦で優勝という大偉業に挑んだFC町田ゼルビアは、J1昇格組で初めてとなるリーグ最少失点の達成を筆頭に、J1歴代4位のクリーンシート率47.4%、歴代2位タイのクリーンシート数18と、堅牢な守備が際立った。 2024シーズンは優勝争い以外でも勝点差の少ない1年だった。4試合を残して初のJ2降格が決まってしまったサガン鳥栖が獲得した勝点の1試合平均は0.92で、最下位チームの1試合平均勝点としては、延長戦が廃止された2003シーズン以降で最高の数字となっている。また、リーグ戦中盤にパリオリンピックの開催に伴って設けられた中断期間を経て、8月以降に成績を大きく好転させたチームがあったことも今シーズンの特徴といえる。7月までの前半と8月以降の後半に分けて順位を見ると、京都サンガF.C.は前半17位に対して後半は4位タイ、J1リーグ総括

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