22OVERVIEW 2024明治安田J3リーグを制したのは大宮アルディージャ。第8節以降一度も首位を譲らず、終わってみれば2位に勝点12差をつけて優勝した。得点数はリーグトップ、失点数もリーグ2位の少なさと、圧倒的な力を示して1年でJ2への復帰を決めた。クラブ史上初のJ2昇格を決めたFC今治も、3位と勝点9差で、2試合を残して悲願を達成。得点王と最優秀選手賞に輝いたマルクス ヴィニシウスがゴールまたはアシストを記録した試合でチームは全勝。22勝のうち実に16勝を占め、昇格の立役者となった。 カターレ富山は自動昇格にこそ一歩及ばなかったが、J2昇格プレーオフの末に11シーズンぶりのJ2復帰を決めた。2023シーズンと比べて勝利数が19から16に減っているが、それ以上に負け数が14から6へと大きく減少した。また、引き分け数がリーグで2番目に多い16を記録したが、プレーオフの2試合も引き分けで勝ち抜いており、負けないチームに仕上がったことが昇格を引き寄せた。 例年以上に混戦模様を呈した要因の一つでもあるのが、今シーズンから新設されたJ2昇格プレーオフだ。中位勢の競争にさらなる拍車をかけ、残り4試合の時点で4位アスルクラロ沼津から14位FC岐阜までの11チームが勝点6差にひしめくというし烈な争いとなった。松本山雅FCはその時点で8位だったが、ラスト4試合を全て白星でフィニッシュし、一気に4位まで順位を上げてプレーオフ出場権を勝ち取っている。 昨シーズンの途中で監督交代に踏み切ったチームが10を数えたのに対し、今シーズンは4チームと、結果に左右されずスタイルを築き上げようとする傾向がリーグ全体で見られた。大熊 裕司監督を新たに迎えたテゲバジャーロ宮崎は、開幕7試合勝ちなしとスタートダッシュに失敗し、序盤から厳しい争いを強いられたものの、8月以降は一気に開花。夏の中断明けの15試合に限定すれば9勝3分3敗で、自動昇格を果たした2チームに次ぐ好成績を収めた。 FC今治のマルクス ヴィニシウスとFC岐阜の藤岡 浩介が19得点を挙げて得点王のタイトルを受賞した。複数人が得点王になったのは、J3で初めてとなる。最多アシストは昨シーズンと同じ10回を記録した松本山雅FCの菊井 悠介が2年連続。ラストパス数63本もリーグトップとなっており、リーグ屈指のチャンスメーカーとして活躍した。J3リーグ総括
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