J STATS REPORT 2023
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18OVERVIEW 混戦模様となることが多い明治安田生命J3リーグだが、今シーズンも例外ではなかった。1試合平均得点2.45はJ3歴代最少となったほか、総試合に対する引き分け率26.8%と、勝敗のついた試合に対する1点差の割合62.9%はいずれもJ3歴代最高となるなど、きっ抗した試合が多かったことがわかる。20チームで行われた2023シーズンは、18チームの2022シーズンより4試合多い38試合制となったが、優勝した愛媛FCと2位の鹿児島ユナイテッドFCの勝点は、昨シーズンの同順位チームの勝点(1位いわきFCの勝点76、2位藤枝MYFCの勝点67)より少なかった。また、J2昇格ラインとなる2位チームの1試合平均勝点も、過去の2位チームの中で最も低い1.63となった。 例年、安定した成績を残している日本フットボールリーグ(JFL)からの新規参入チームは今年も健闘を見せた。奈良クラブは32失点でリーグ最少失点を達成。タックル数734はリーグ1位、被シュート数272はリーグ最少と、守備面のスタッツが目立っている。同じくFC大阪も38失点でリーグ3位の失点の少なさを誇ったほか、無失点試合数16はリーグ最多。攻撃面ではセットプレーを強みとし、セットプレーからの得点数20はリーグ2位、総得点に対する割合は48.8%でリーグ1位となった。 特徴的な戦いを見せたチームの一つが、中山 雅史監督が率いたアスルクラロ沼津だ。平均ボール保持率54.6%、オープンプレーでのパス数20,042はいずれもリーグ1位と、自らがボールを持つ主体的な戦術を披露。相手陣ペナルティーエリア内でのプレー数は737でリーグ3位と攻撃的なサッカーを見せたほか、5秒未満でのボールリカバリー数は443でリーグ1位と、奪われてもすぐさま取り返す姿勢がチームコンセプトとして植え付けられている。 J3においては、今シーズンからJFLとの入れ替えが発生するレギュレーションとなったことも大きなトピックの一つである。その結果、下位チームがこれまで以上に積極的な変化を求め、20チーム中10チームでシーズン中に監督交代が行われた。これはJ3歴代最多の数となっている。20位で最下位となったギラヴァンツ北九州の1試合平均勝点は0.82だったが、これはJ3の歴代最下位チームの中で2番目に多い成績となった。J3リーグ総括

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