■■■■■■■■■■■■■■■■■■■片桐央視■■■■■■■■■■■■■■■2010年入局。テクニカルスタッフとしてロンドン五輪、リオ五輪、ロシアワールドカップに帯同。2021年9月からの1年間はマッチアナリストとしてFCバイエルン・ミュンヘンに加わり、現在はU-17日本代表を担当している。寺門大輔■■■■■■■■■■■■■■■■1999年からヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)のスタッフを務め、2014年入局。世代別代表ではU-17からU-20、リオ五輪代表を歴任し、西野監督の就任と同時にA代表へ。現在も森保監督のもとで分析を任されている。中下征樹■■■■■■■■■■■■■■■■ジュビロ磐田、サンフレッチェ広島で分析コーチを担い、2019年に入局。東京五輪代表のテクニカルスタッフを寺門氏から引き継ぎ、その後はカタールワールドカップに出場したA代表に帯同し、現在に至る。越智滋之■■■■■■■■■■■■■■筑波大学の大学院時代からエリートプログラムやトレセンのスタッフとして活動。2020年に入局し、世代別代表ではU-22を担当。高円宮杯JFAU-18サッカープレミアリーグの大会リポート作成、指導者養成ではA級を任されている。「インテンシティ」と「コンパクトネス」―――JFAテクニカルハウスとはどのような役割を持つ組織ですか?片 桐 「サッカーの技術面に関する様々な情報を収集・分析し、発信するための組織です。2002年日韓ワールドカップ開催を機に2001年に誕生しました。FIFAワールドカップや五輪、各カテゴリーの世界大会やU-18プレミアリーグ、クラブユースの高円宮杯など、国内外の大会を分析し、テクニカルリポートとして出す映像を作成するのも我々の担当です。JFAが技術面の情報発信を行う際の映像はすべて我々がサポートしています。そうした情報発信に加え重視しているのが日本サッカーのハブとしての機能です。現在9名のスタッフが各年代の代表チームにテクニカルスタッフとして帯同し、その中から得られた世界の頂点を目指すための示唆を、わかりやすい形で指導者養成そしてユース育成へと結びつけ、それぞれの活動もサポートすることで三位一体(+グラスルーツ)の強化策実現に寄与しています」――― 今回は「世界との差を可視化する」というテーマでお話をうかがいます。まずはA代表での取り組みとして具体的な数値を用いて計寺 門 「ベスト16という結果に終わった2018年ロシアワールドカップの後にA代表の監督に就任した森保監督が、重要テーマに掲げている『素早い攻守の切り替え』や『選手同士の距離感』を、データの裏づけとともに実現していくための指標が『インテンシティ』と『コンパクトネス』です。『インテンシティ』では、時速20km以上の高強度ランニングが10%に到達することを目標に置きます。一方の『コンパクトネス』は、ボール非保持時のゾーンディフェンスの面積を縦20m×横40.32m(ペナルティボックスの横幅)の806㎡にすることを基準としています」――― それらを日本代表が追うべき指標として選んだ理由は何でしょう?寺 門 「2018年ロシアワールドカップのデータ分析から浮かび上がってきた日本の課題は2つあります。1つは60分以降の守備でのチャレンジ、いわゆる『デュエル』の勝率の低さでした。エリアとしては、ミドルサードのサイドとゴール前でのデュエル勝率の低さが際立っていました。このデータには空中戦の勝率も含まれています。ちょうどベスト16のベルギー戦でフェライニにやられたシーンをイメージしていただければわかりやすいですね。2-0でリードしていた日本が、後半にシャドリやフェA代表が重視した2つの指標測しているという「インテンシティ」や「コンパクトネス」について聞かせてくだい。
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