■6幅幅97.88.367.68.88.0 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■マンチェスターC■■横浜FMFWMFDFローブロックFWDF64.4 m51.6 m39.2 m42.3 m47.7 m36.2 m27.2 m38.6 m5.15.55.46.15.65.75.6 (J1リーグ2〜7月平均)横浜FM63.1 m48.9 m39.4 m41.0 m49.0 m35.7 m27.2 m39.4 mマンチェスターCマンチェスターCのアタッキングサード80.5 m62.9 m49.2 m■■84.6 m70.0 m51.0 m41.7 m44.3 mFWラインの高さが4.1m、MFラインに至っては7.1mもシティが高い位置を取っている。特に注目すべきはMFラインの高さで、図6を見てもわかるようにDFラインよりもFWラインに近い位置まで押し上げていることがわかる。J1リーグ2〜7月平均を見てもハイブロック守備時の3ライン配置でこのようなバランスになっているチームはほぼなく、横浜FMの図のようにMFラインとDFラインが接近するのが通常のポジションバランスだ。表7は、シティの高い位置でのプレスと横浜FMのプレス回避を見るために、15分ごとの時間帯別にパスを受けた時の相手選手距離(横浜FMのディフェンシブサード=シティのアタッキングサードに限定)を算出したものだ。守備の局面で興味深い傾向が出たのは、ブロック守備の高さと幅だ。図6のようにローブロック、ミドルブロックでは大きな差はなかったが、ハイブロック時に明らかな違いが見られた。ハイプレスを外されるのはリスクが高く、プレスの第二陣となるMFラインの選手たちは行く選手とリスクケアする選手に分かれることになるが、シティのMF陣はマンツーマンプレスで前からハメに行くことで、このような極端なポジションバランスになっていると思われる。パスコースを切りながら寄せ、パスが出ない選手は大胆に捨てるなどのプレス時の個々の判断、さらには万が一、プレスをかわされても対人で対処できるDFラインの個人能力への信頼が、MFラインの積極性の根拠になっているのだろう。MFいずれにしても、ハイブロック守備の高さと幅はハイプレスの特徴を測る1つの指標になると感じた。ここまでバイパス数からCB(やGK)のロングフィードの重要性、ゲイン後5秒未満ロスト率からポジティブトランジション時のリスクコントロール、ハイブロック守備時のMFラインの高さからハイプレスを機能させる指標について考察してきた。最後に取り上げたいのは、そうした戦術のディテールとはレイヤーの違う、ゲーム中の駆け引きについてである。横浜FMのディフェンシブサードでの相手選手との距離は最初の15分間は9m、以降も7.8m、8.3mと前半45分に関してはシティの高い位置からのプレスはやや甘かったことが読み取れる。ところが、後半開始からギアを上げると一気に6mにまで接近。この間にハーランドのゴールで勝ち越しに成功し、以降は再びプレッシャーを緩めている。一方、シティのアタッキングサードでの相手選手との距離は開始からほぼ一定で、だいたい5m台で推移していたが、シティが最もプレッシャーを強めた45-60分の時間帯に横浜FMのプレッシャーが最も緩んでおり、6.1mまで距離が開いている。おそらく横浜FMは自陣での守備では5m台でプレッシャーをかけることがこの試合の平均的な振る舞いで、相手が突如ギアを上げてきたことでそれが崩れてしまったと見ることができる。ハイインテンシティが求められる現代サッカーで「常に100%」でプレーするのは難しい。様子を見ながら勝負所でギアアップする個人の判断、そしてその意思を統一するチームとしての共通理解は、さらに上を目指すならば磨かなければならない要素と言える。図5 ゲイン後5秒未満ロスト率図6 ブロック守備の高さと幅ミドルブロック表7 時間帯別のパスを受けた時の相手選手距離(m)時間帯(分)FWラインMFラインDFラインFWラインMFラインDFライン横浜FMのディフェンシブサード平均なぜ、シティのMFラインはここまで高いのか?[守 備][まとめ]横浜FMのハイブロックマンチェスターCのハイブロック0-1515-3030-4545-6060-7575-90■■■■■■YOKOHAMA F.MARINOS vs MANCHESTER CITY横浜FM1119.6%10.0%8.614.0%666222..9999mmmmm vvvs 77700.0mハイブロック守備時のMFラインの高さ
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