J.LEAGUE TECHNICAL REPORT 2023 SUMMER
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■1976横浜FM■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■303333.82012.1体の55%がペナルティエリア(PA)内が裏抜け先となっており、PA内へのアクションが多い。横浜FMは全44回中22回で50%、J1リーグ2〜7月平均でも全53回中25回で47%にとどまっており、PA内へのアクションの量自体もやや劣ることが読み取れる。総数とロスト後5秒未満アタッキングサードでの総数とロスト後5秒未満PA付近でボールホルダーを追い越し、最終ラインに対してアクションを続ける――シティの選手たちが示しているPA内への裏抜けなどのオフェンシブアクションは、世界を目指す上で重要な指標の1つになり得ると考える。11マンチェスターC11.44.5もう1つ大きな差になっていたのは、図5のアタッキングサードでのロスト後5秒未満のリゲイン(ボール再奪取)数である。シティの総数33回のうち5秒未満のリゲイン数は11回。アタッキングサードに限定すると20回のうち7回が5秒未満であった。逆に横浜FMは総リゲイン数30回中5秒未満リゲインは6回、アタッキングサードでは総数9回のうち5秒未満リゲインは1回のみだった。J1リーグ2〜7月での横浜FMの1試合平均と比較すると、リゲイン33.8回、5秒未満リゲインは11.4回とシティに匹敵する数字を叩き出しているが、アタッキングサードに限定するとリゲイン12.1回、5秒未満リゲイン4.5と数字が落ち、完全に相手を押し込んだ状態でボールロストした後の囲い込みに課題があることがうかがえる。その理由として考えられるのが、保持時走行距離の多さの理由としても言及した保持時のポジションバランスの再構築である。シティの各選手が保持時からネガティブトランジションに備えたポジションも同時に取り続ける(例えば自分のマーク相手を捕まえておく予防的マーキング、危険なスペースをケアする予防的カバーリングを行い続けるなど)ことで、奪われた後の5秒以内での即時奪還に繋がっていると思われる。ボール保持時のオフ・ザ・ボールの動きの質は、崩しの局面においても、ネガティブトランジションにおいてもカギを握る部分であり、世界のトップクラブから学べることがありそうだ。図5 ロスト後5秒未満リゲイン数保持時のポジションバランスに違いがある■■■■■■YOKOHAMA F.MARINOS vs MANCHESTER CITY横浜FM(J1リーグ2〜7月平均)横浜FMマンチェスターC横浜FM(J1リーグ2〜7月平均)ロスト後5秒未満リゲイン数アタッキングサードでの111 vvvvss 7

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