12OVERVIEW 今シーズンのJ3は、参入1年目のいわきFCが勝点76を獲得し、2位に勝点差9をつけ圧倒的な強さで優勝を果たした。1試合平均勝点は2.24で、これはJ3歴代2位の数字である。得点数72は、2位の藤枝MYFCの58を大きく上回り、平均ゴール数2.12はJ3歴代3位と、圧倒的な攻撃力でリーグを席巻した。また守備面でも、5秒未満でのリゲインと相手陣でのボールゲインがリーグ最多となっており、昨シーズンのJ3優勝チームであるロアッソ熊本と同じく即時奪回と高い位置でのボール奪取の多いチームが優勝を遂げた。得点王を獲得した有田 稜は、先発の座を確かなものとした夏場以降でゴールを量産。全17ゴールのうち10ゴールを最後の9試合で決めた。 2位でJ2昇格を果たした藤枝MYFCは、第14節から第19節まで6連勝を飾り、今シーズンのリーグ最多タイとなる連勝記録をつくった。また、第23節から第31節まで11試合連続無敗記録を達成し、こちらも今シーズンのリーグ最多記録を残している。 昨シーズンJ2から降格した4チームは軒並み苦戦を強いられた。松本山雅FCは最後まで昇格争いに加わりながらも、2位の藤枝MYFCと勝点差1の4位に終わり、愛媛FCは早々に昇格争いから脱落して7位、ギラヴァンツ北九州は13位、SC相模原は最下位の18位という結果となった。 今シーズンのリーグで最も遠い距離からのゴールは、第19節にカターレ富山の林堂 眞が記録した64.3m。自陣からの直接FKでキッカーを務めると、右足で大きく浮かせた弾道のシュートを放ち見事にゴールネットを揺らした。その他の記録としては、愛媛FCが第20節に7ゴールを記録して今シーズンのリーグ最多得点試合となったほか、ガイナーレ鳥取が第18節から第24節まで7試合連続で複数得点を決め、今シーズンのリーグ最多連続複数得点となった。 また、今シーズンJ3で特徴的だったデータとしてゴールキックが挙げられる。GKが短いパスを蹴る回数はJリーグ全体で増加傾向となっているが、今シーズンのJ3はそれが顕著で、ゴールキックの到達地点がディフェンシブサードである割合は40.8%となった。いずれも20%台だった2019シーズンから2021シーズンまでと比較して、その割合は顕著に高くなっている。J3リーグ総括
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