J STATS REPORT 2022
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OVERVIEW11 今シーズンのJ2では、前半16分から30分の間と、後半アディショナルタイムでの得点が例年に比べて増加しており、いずれもここ5シーズンで最多となった。前半の中盤戦や試合終了間際の攻防が激しさを増したシーズンとなった。全体の得点数は平均的だったが、アシスト数はここ5シーズンで最多の790となっており、連係からのゴールが多く生まれたシーズンとなった。特にクロスでのアシスト数は283を記録しており、こちらも最多となっている。クロスによるアシストが占める割合も35.8%と最高値になっており、クロスからの得点が増えている傾向にある。この数字はJ1と比較しても高い結果となっており、今シーズンのJ2における一つの特徴だったといえる。 チーム単位では、アルビレックス新潟が勝点84で見事に優勝を果たし、2017シーズン以来6シーズンぶりのJ1昇格を決めた。特筆すべきはホームでの強さで、アウェイでの21試合9勝7分5敗という成績に対し、ホームでは21試合16勝2分3敗という好成績を残した。昨シーズンから継続してきたパスワークに磨きがかかり、パス数はリーグ最多の1試合平均694本、得点数もリーグ最多の73を記録した。第26節から第31節までは6試合連続で複数得点を記録しており、これは今シーズンのリーグ最多連続記録となっている。また、チーム最多の9得点を挙げた選手が高木 善朗、伊藤 涼太郎、谷口 海斗と3選手おり、どこからでも点を取れる強さがあった。これまで二桁得点者なしでリーグ優勝を果たしたチームはなく、J2で史上初の記録となっている。 2位の横浜FCは、エースの小川 航基が26得点を挙げ、チームを1年でのJ1復帰に導いた。得点ランキング2位で16ゴールのファジアーノ岡山のチアゴ アウベスを大きく上回ってJ2得点王を受賞。J2の最優秀選手賞も受賞し、チーム躍進の原動力となった。 J3からの昇格組として今シーズンJ2に挑戦したロアッソ熊本といわてグルージャ盛岡は、明暗が分かれる結果となった。4月から5月にかけて7連敗を喫するなど苦しんだいわてグルージャ盛岡は、最後まで守備を安定させることができずリーグ最多の失点80を許して最下位となり、1年でのJ3降格が決定した。一方のロアッソ熊本は、タックル数でリーグ3位の764を記録するなど、大木 武監督の下で徹底してきたハードワークを持ち味にJ2を席巻し、4位でフィニッシュ。J1参入プレーオフでも快進撃を続けたが、決定戦では勝ち切れずに惜しくも初のJ1昇格を逃した。J2リーグ総括

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