2022 JLEAGUE PROFILE
15/24

事業強化■日本に新たなスポーツビジネスの礎を築くスポーツエンターテインメントを展開し、新たな価値を生み出し続けるには、強固な事業基盤を持つことは欠かすことができません。プロスポーツリーグとして確固たる地盤を築くには、スポーツをビジネスとして確立させ、安定的な財源の確保と事業を継続して推進し続ける必要があります。スポーツビジネスにおける入場料収入以外の主要な収益事業は、協賛、放映、商品化等プロパティビジネスです。Jリーグは国内のプロスポーツで初めてリーグ一括型の事業構造を打ち出して、リーグとクラブの収入の最大化を図り、Jリーグやスポーツを取り巻く環境に応じて変化に対応しながら、全国各地にJクラブを展開するまでに成長しました。■理念の具現化を後押しするパートナーシップ企業からの協賛を得る「スポンサーシップ」はスポーツビジネスの主要な収益の柱のひとつです。JリーグやJクラブに価値を見出し、理念に賛同し、協賛いただく企業が増えているほか、現在は様々な協業や複数の企業や団体と社会課題を解決する、社会連携活動も行っています。これまで支えられる存在だった「スポンサー」に対し、リーグやクラブのリソースを活用して、共同で企業の課題を解決するなど、「スポンサーシップ」は「パートナーシップ」に進化しています。■Jリーグの「観る」を広げる放映プロスポーツとして、テレビ、ラジオ、インターネット配信などによる試合放映は、多くの方々の接点となる重要なメディアです。同時に、放映権(公衆送信権)料は収益の重要な核となっています。そのため、Jリーグ公式試合のテレビ・ラジオ放送、インターネット配信等の公衆送信権はJリーグに帰属し、公衆送信権の取り扱いもJリーグが定めています。Jリーグ開幕以降、できる限り全ての試合を生放送し、Jリーグの露出を最大化するために、視聴環境の変化に合わせて地上波放送、BS放送、CS放送等での放送を展開してきました。こうした公衆送信権を一括管理し、Jリーグの事業活動やクラブの配分金等の原資としています。2017年には世界で初めてスポーツ専門ライブストリーミングサービスを提供するDAZNと放映権契約を締結し、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスでいつでもどこでもJリーグの試合を視聴で152022 J.LEAGUE™ PROFILEきる環境が促進されました。テレビに加え、インターネット回線を通じた配信OTT(OvertheTop)サービスにより、様々な視聴者層に合わせた、Jリーグの試合の展開が実現しました。また、国内のみならず海外での放映も広がっています。チャナティップ選手(川崎フロンターレ/タイ)をはじめとする、外国籍選手の出身国・地域を中心に、海外での放映も広がり、2022シーズンは58の国と地域でJリーグの試合が放映されています。■可能性を広げる「Jリーグ公式映像」と素材の展開2017年より、DAZNでの配信を主な用途とする「Jリーグ公式映像」の制作を開始しました。現在、多くのスポーツ競技では放送局が著作権を持ってテレビ等で試合を放映しますが、Jリーグ公式映像はJリーグが著作権を持って制作しています。これによって、DAZNでの配信のほか、ローカル放送局への中継映像販売、ショートクリップ動画のSNSでの活用を通じたプロモーション活動、チームの強化や審判員育成のための活用など、様々な用途で映像を活用できるようになりました。また、映像制作技術と映像管理のノウハウを生かし、WEリーグやプロバスケットボールリーグBリーグなど他競技の公式映像制作、映像の管理、販売業務も行っています。また、写真、映像などの著作物を迅速に展開するデジタルプラットフォームを設計し、リーグ・クラブ関係者以外にも、放送局などの報道利用に活用されています。■ブランドマネジメントとプロパティビジネス選手の肖像や試合映像、写真をはじめとする著作物。JリーグやJクラブの名称や、価値を表すロゴやエンブレム、マスコット、フラッグなどの意匠。試合記録やJリーグに関連して蓄積された各種データ。これらはプロスポーツにおける重要な商材となり、この権利を扱うビジネスは、プロスポーツにおける主要な事業の一つです。とくに、意匠・商標はアイデンティティーの象徴であると同時に、世の中にJリーグ・Jクラブを認識させる重要なコミュニケーションツールです。そのため、Jリーグ・Jクラブは市場における保護と、市場価値の向上を目的に、ブランドマネジメントの一環としてプロパティを管理運用しています。プロパティが使われたグッズなどの商品、ゲームやトレーディングカードなどの肖像などのプロパティを活用したエンターテインメントコンテンツは日常生活の中でJリーグに親しむ機会を提供しています。1名:ケニア、コスタリカ、コソボ共和国、スウェーデン、スロベニア、   セルビア、 朝鮮民主主義人民共和国、チリ、ニュージーランド、   フィリピン、ベトナム、 ポルトガル、香港、マレーシア、モルドバ●2022シーズンJリーグ所属 外国籍選手数(J1、J2、J3合計)●日本国内の放映について明治安田生命Jリーグ、J1参入プレーオフ: DAZN、NHK、ローカル局JリーグYBCルヴァンカップ: フジテレビ (サブライセンス:スカパー!)FUJIFILM SUPER CUP: 日本テレビ●海外放映について    J1海外放映対象国・地域(※=J2放映有)Jリーグと世界とのつながり 順位 国 籍 人数 1 ブラジル 89 2 大韓民国 21 3 スペイン 6 4 ナイジェリア 5 5 オーストラリア 4 オランダ 2 コロンビア 2 タイ 2 6 デンマーク 2 ドイツ 2 ノルウェー 2 ベルギー 2 ポーランド 2●2022シーズンJリーグ登録選手数 登録選手数 外国籍選手数 J1 555 84 J2 668 50 J3 536 22 合計 1,759 156※2022年2月1日現在※2022年2月1日現在K-BALL:中国※/i-Cable:香港※/TDM:マカオ/SPOTV,Astro,unifiTV:マレーシア、ブルネイ/SPOTVNowAsia,MNCVision,K-Vision,UseeTV:インドネシア/SPOTVNowAsia:シンガポール、フィリピン/VieON:ベトナム/OPTUS:オーストラリア/Sport5:イスラエル/SIAM SPORT,PPTVHD36:タイ/Sportdigital:ドイツ、スイス、オーストリア/SportKlub:セルビア、モンテネグロ、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、北マケドニア/TSG:アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ジョージア、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン/DubaiSports:アルジェリア、バーレーン、チャド、コモロ諸島、ジブチ、エジプト、イラン、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、ソマリア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメン/OneFootball:イタリア、ブラジル(国と地域数:58)

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る