2020/3(Vol.276)
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 前シーズンのJリーグと天皇杯で優勝したクラブが対決する本大会は1994年に始まり、今回が27回目の開催。横浜FMは2014年以来5度目の出場、神戸は初出場で、共に初優勝を目指す戦いとなった。 昨シーズンのリーグ戦で最多68得点を記録した横浜FM、同じく61得点で2位の神戸は、持ち前の攻撃サッカーで果敢に相手ゴールへ迫った。均衡が破れたのは27分。MFアンドレス イニエスタのパスを受けた新加入FWドウグラスが決めて、神戸が先制した。横浜FMもその9分後、昨シーズンのJ1得点王であるMFマルコス ジュニオールがゴールネットを揺らす。この場面は、今シーズンの明治安田生命J1リーグ全試合などで採用されるビデオアシスタントレフェリー(VAR)のチェック対象となり、得点が認められた。その後は神戸がリードすれば、横浜FMが追い付くという「どっちに転ぶか分からない面白い試合展開」(神戸のトルステン フィンク監督)で90分を終えた。なお、両チーム合わせて6得点は、大会史上最多となった。 大会規定により延長戦は行われず、決着はPK戦に。両チームとも2人目までは順調に成功したが、両GKの好セーブもあって3人目から双方合わせて9人が連続して失敗。神戸の7人目のMF山口 蛍が落ち着いて決めて勝利を呼び込んだ。 また、この試合に先立って開催された「FUJI XEROX SUPER CUP 2020 NEXT GENERATION MATCH」は、横浜F・マリノスユースが日本高校サッカー選抜に3-2で競り勝った。 シーズン開幕を告げる1日とあって、スタジアムには5万1397人もの入場者が足を運んだ。この日を待ちかねたファン・サポーターは、スタジアム周辺の各種イベントで、開幕の高揚感を満喫。南北両広場に分かれて設置されたFUJI XEROXグルメパークでは、Jクラブのスタジアムグルメを販売。香ばしい匂いに誘われて、どのブースも長蛇の列ができた。J1、J2、J3のクラブマスコットが一堂に会するJリーグマスコット総選挙2020は、マリノスケ(横浜FM)が初の1位。グランパスくん(名古屋グランパス)が2位、ヴィヴィくん(V・ファーレン長崎)が3位で続いた。激しい得点の応酬 ヴィッセル神戸が初優勝天皇杯優勝から1カ月余りで再び歓喜の瞬間を迎えた神戸こぼれ球をヘディングで押し込むマルコス ジュニオール。横浜FMは神戸がリードするたびに追い付く粘りを発揮した前回までのU-18Jリーグ選抜に代わり、明治安田生命J1リーグ優勝クラブのアカデミーチームが出場したNEXT GENERATION MATCH。写真中央は2得点を挙げて勝利に貢献した横浜FMのMF中村 翼イニエスタのパスを受けたドウグラスが先制点を決めるPK戦で2本を阻止した神戸のGK飯倉大樹。昨シーズン途中まで在籍した古巣を相手に試合中もビッグセーブを見せた Jリーグの2020シーズン開幕を告げる「FUJI XEROX SUPER CUP 2020」が、2月8日に埼玉スタジアム2002で開催された。2019明治安田生命J1リーグチャンピオンの横浜F・マリノスと、天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会優勝のヴィッセル神戸が対戦。激しい得点の応酬は3-3と互いに譲らず、PK戦を3-2と制した神戸が優勝した。神戸には優勝賞金3000万円、横浜FMには準優勝賞金2000万円がそれぞれ授与された。村井 満Jリーグチェアマン コメント 「ヴィッセル神戸の皆さま、FUJI XEROX SUPER CUP 2020優勝おめでとうございます。今シーズンの始まりを告げる、伝統ある一戦で栄光を手にされました。PK戦までもつれ込む激戦を制すという幸先の良いシーズンの幕開けを心よりお祝い申し上げます。 本大会で初の顔合わせはまだ強い寒気が残る中、5万を超えるお客さまの大歓声に包まれ、両チームの戦いぶりはタイトルホルダーにふさわしいものでした。共に前線からボールを奪うや、ゴールへ素早く迫り、息もつかせぬ緊迫感あふれる攻防でスタジアムを熱くしてくれました。2月21日に開幕する明治安田生命Jリーグへの期待も一層膨らみます。 両クラブは、来週より始まるAFCチャンピオンズリーグ2020にも日本の代表として出場します。Jクラブならではの人々を魅了するサッカーを披露し、アジアで、そして世界の舞台というさらなる高みに向かって前進してほしいと思います。 また、この試合に先立ち、ことしで11年目を迎えたNEXT GENERATION MATCH が開催され、横浜F・マリノスユースが3-2で日本高校サッカー選抜を下しました。両チームとも、育成年代らしい積極的な姿勢と、高い技術力を併せ持った、素晴らしいプレーを披露してくれました。埼玉スタジアム2002という大舞台でこのような機会を経験できたことは、必ずや今後の成長の糧になると思います。 最後に、第1回より特別協賛として大会をご支援いただいている富士ゼロックス株式会社様、試合を中継いただいた日本テレビ様、そして大会運営を支えてくださった全ての皆さまへ心より御礼申し上げます」(2月8日)大会の前日記者会見にクラブを代表して出席したのは、横浜FMの遠藤渓太(左)と神戸の酒井高徳(右)。中央は村井Jリーグチェアマンと、優勝クラブに授与されるFUJI XEROX SUPER CUP恒例のJリーグマスコット総選挙。1位に選ばれた横浜FMのマリノスケ(前列中央)をはじめ全国からマスコットが集結した晴天も手伝って大盛況のFUJI XEROXグルメパーク。ファン・サポーターが各地自慢の味を堪能した前日記者会見4vol. 276 3 Mar. 20202020年2月8日 13:35キックオフ 埼玉スタジアム2002 横浜F・マリノス 3-3(PK2-3) ヴィッセル神戸 【入場者数】5万1397人【主審】今村 義朗【副審】大川 直也 堀越 雅弘【第4の審判員】 池内 明彦【VAR】 飯田 淳平【AVAR】 相樂 亨【得点経過】27分 0-1(神)ドウグラス36分 1-1(横)マルコスジュニオール40分 1-2(神)古橋 亨梧54分 2-2(横)扇原 貴宏69分 2-3(神)山口 蛍73分 3-3(横)エリキ

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