2019
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成長のエンジン Jリーグは4つのエンジンを築いていきます。 1つ目のエンジンは、健全な競争環境のもと、素晴らしい選手やチームの力で、スポーツの価値そのものを生み出すJリーグの源となるフットボールのエンジンです。 2つ目は、そうして生まれたサッカーの魅力を、多くの人へ届けるためのエンジンです。Jリーグがライフスタイルの一部として多くの方にとっての豊かな生活に寄与するためには、スタジアムにおける体験価値の向上はもちろんのこと、スタジアムの外側でも、デジタルネットワークによってお客様一人一人とつながることを起点に、多様なニーズを把握し、お客様にとってのJリーグの体験がバラバラではなく一続きのストーリーとして生涯お楽しみいただけるようサービスを最適化していく必要があります。 3つ目は、事業と経営を促すエンジンです。プロスポーツ組織として、クラブやリーグが持続的に付加価値を生むために、さまざまなライツやスポーツ・アセットを磨き、多くの方に活用していただくことを目指します。さまざまな専門知識を有するプロフェッショナルが知見を高め合うことで、さらに大きなスポーツの価値を生み出せ、それらがよりより経営資源として循環すると考えており、起点となる人財の充実確保が大きなテーマです。 4つ目のエンジンは「シャレン!プラットフォーム」によって、クラブやリーグが地域の多くの方と、スポーツの持つさまざまな価値を発掘し地域に笑顔を増やしたいと願う多くの方々と対話をしながら課題解決へとつなげるエンジンです。基本方針  Jリーグという身体がより持続性をもって健やかに機能するために、エンジンが相互に関係しあい、一つのエンジンの勢いが他へも波及する仕組みを整えます。フットボールのエンジンは、長期的視点で、育成を起点とした組織的かつ抜本的な改革を通じて構築してまいります。また、お客様にJリーグの魅力を届けるためのエンジンの構築は足元の3年で重点的に投資し整備してまいります。 Jリーグはこれらのエンジンを原動力とし、フットボールの領域では世界で最もヒトが育つリーグとなり、2030年までに世界5大リーグ入りすることを掲げました。アジアのサッカーは中東や東南アジア諸国の目覚ましい発展に伴いこれまでの延長線上の戦い方はもはや通用しないとの認識を持っています。長期的な視点で日本型の育成システムを構築するため、イングランドから二人の育成のプロフェッショナルを招へいし、抜本的なフットボール改革に取り組み始めています。 さらに、プロの興行主として魅力的なフットボールをより多くの方へ届けることを使命に、国内最大のスポーツエンターテインメントとなることを目指します。そのために、日々の暮らしのあらゆるシーンでJリーグとの接点を増やし、誰もが楽しめる空間づくりを目指します。Jリーグは来期以降、全体予算の約1割にあたる20億円をかけてこれらの環境整備に注力します。 Jリーグに訪れている人の60%は「地元にチームがある」という理由で来場しているという調べがあります。純粋なサッカーの魅力だけではなく、地域同士が高め合えるJリーグの強みに共感いただいているのだと受け止めています。地域を背負ってサッカーをプレーし、クラブやJリーグが地域にとってなくてはならない存在となるまで積極的に地域に出向き、地域の特徴や課題を正しく捉えて、持続性のあるビジネスを行うことは、ファンの期待に応えることにつながります。すべての領域で、地域社会をより深く知り、そこに眠る価値を届けることが、豊かなJリーグライフを多くの方に届けるための重要なキーファクターとなると考えています。さて、ここからは少し未来のお話をします。Jリーグは中長期を見通した運営へと舵を切るため、2030 年に目指す姿を描き、2022年までの中期計画を立案しました。2030ビジョンを実現するための確かな力をつけるべく、向こう3年間はクラブとリーグがさらに成長するための「エンジン」を築くことに注力します。ビジョン2030と中期計画2022の基本方針86

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