2019
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私は地方にこそ、大きなチャンスが広がっていると思っています。umiaki KoizumiInterview違いないと思うので、いかに柔軟な発想で発展させていけるかが、経営者としてセンスが問われると思います。地方創生は難しいと言われますが、私は地方にこそチャンスが広がっていると思っています。アントラーズは、人口約6万7千人の鹿嶋市をはじめ20~30万人の規模の鹿行地域をホームタウンとしています。例えば、前述したモビリティー改革を、はじめはアントラーズの試合の日にやってみて、良ければ試合のない日にも地域へ広げて、さらに同じ課題を持つ他の地域にも応用していくことができます。規模の点では政令指定都市と組んだ方が、という声もありますが、いち企業が一気に数百万人の方々とゼロから関係性を築き、同じようなことするのは非常にハードルが高い。アントラーズは既に地域からの信頼を獲得していますし、早期からウェルネス事業など地域課題を解決するノンフットボール事業を進めています。フットボール部門は、高度なプロフェッショナル人材が常勝軍団の地位を築いてきました。そうした歴史をリスペクトをしつつ、私は主にクラブの持続の片輪であるビジネス部門でアントラーズの可能性を追求し、地域に根付いたマーケットを創出し、恒常的にクラブが成長し続けられる基盤を整える役目を担いたいと思います。■ 最後にメッセージをお願いします。小泉:私自身も参入間もないですが、経営者として今までテクノロジーをベースとしたコミュニケーション事業をずっとやってきた視点からみますと、スポーツクラブを運営する上では、ステークホルダーも非常に多く、様々なリスクが存在するので、つい性悪説に立ってしまいがちです。それがゆえにチャレンジできなくなっているという側面もあると思います。エンターテインメントとして発展させていくには、信頼をベースに性善説に立って果敢に挑戦していくことが必要だと思っています。その結果、選手に年俸として還元され、社員のサラリーにも反映され、フットボールに従事する人がもっと増えて、優秀な人も、裾野も増えていく、好循環になる仕組みを作っていくことを、僕は少なくともアントラーズでチャレンジしていきますし、リーグ全体でやっていくことができればと考えています。©KASHIMA ANTLERS76

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