2019

56/90

2019シーズンのVAR導入自体は、大きなトラブルもなくスムーズに実施できたが、VAR介入の事象によっては、スタジアムの来場者や視聴者に何が起こったかが伝わりにくい場面があったため、2020シーズンに向けては中継やスタジアムビジョンとの連携を強化するとともに、中継の実況・解説者やメディア、そしてファン・サポーターへのVAR啓蒙活動に継続して取り組んでいく。2. VAR導入へのステップ一部試合へのVAR導入VAR介入（レビュー）回数Ｊ１のリーグ戦全試合を含む321試合でVARを導入2020～201912試合1試合ＪリーグYBCルヴァンカッププライムステージＪ１参入プレーオフ決定戦1試合306試合FUJI XEROX SUPER CUP明治安田生命Ｊ１リーグ戦13試合ＪリーグYBCルヴァンカッププライムステージ1試合Ｊ１参入プレーオフ決定戦国際サッカー評議会（IFAB）によるVAR導入実験国でのデータに基づくと、トップリーグでのVAR介入頻度はおよそ3試合に1回とのことであるが、Ｊリーグでもほぼ同様の結果が見られた。4回12試合全▲3試合に1回▶ ビデオアシスタントレフェリー（VAR）の導入ビデオアシスタントレフェリー（VAR）とは、フィールドとは別の場所で複数のアングルの試合映像を見ながら主審をサポートする審判員のことである。いわゆるスポーツにおけるビデオ判定を担当する審判員を配置するシステムだが、VARはすべての事象に介入できるわけではなく、「ビデオアシスタントレフェリー」の名前が示すように、VARの役割はあくまでも主審の“サポート”となる。サッカーの魅力である、途切れることのない攻防の連続を損なわないよう、試合結果を左右するような以下４つのみに関する判定や事象のうち、「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」をなくすことがVARの基本的な考え方である。1. VARとは VARの手順と進め方VARが介入できる事象事象発生（対象は左記の４事象のみ）主審が判定1VARが映像を活用してチェック（必要に応じて主審と交信）2主審が最終判定5VAR介入（レビュー）しないVAR介入（レビュー）するある場合ない場合3VARオンリーレビュー主審がVARからの情報を聞くオンフィールドレビュー主審がモニターで映像を確認4主審はTVシグナルを示す（2回目）得点か得点でないか退場２つ目の警告（イエローカード）によるものではない人間違い主審が、反則を行ったチームの別の競技者に対して警告したり退場を命じたペナルティーキックかペナルティーキックでないか「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の可能性が主審はTVシグナルを示す（1回目）“はっきりとした、明白な間違い”10人中10人全員または9人か8人まで含む人が“はっきりとした、明白な間違い”と思うような判定または、 “見逃された重大な事象”VARについてより詳しく知りたい人はこちら◀56