2019/12(Vol.275)
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 明治安田生命J2リーグは11月24日、柏レイソルの2度目の優勝で幕を閉じた。柏のJ2制覇は9年ぶり。第42(最終)節で自動昇格の2位が確定した横浜FCと共に、来シーズンはJ1へ戦いの舞台を移す。柏が優勝を決めたのは、横浜FCに勝点5差をつけて迎えた第41節、アウェイのFC町田ゼルビア戦。MFクリスティアーノの2得点などで3-0と快勝し、1節を残してタイトル獲得を成し遂げた。 今シーズンは、2010年にJ1昇格を決め、11年に同優勝に導いたブラジル人のネルシーニョ監督に2度目の指揮を委ね、1年でのJ1復帰を目指した。当初は戦術や戦い方が「合わない時期もあって結果は出なかった」が、「理解し始めると夏以降、結果が出てきた」と34歳のベテランDF鎌田次郎。京都サンガF.C.との最終節は、Jリーグ1試合最多得点記録となる13-1の大勝で有終の美を飾り、FWオルンガも同最多の8得点をマークした。 2位争いは最終節にもつれ込み、大宮アルディージャに勝点2差をつけていた横浜FCが愛媛FCを2-0で下し、13年ぶりのJ1昇格を達成した。シーズン途中に就任した下平隆宏監督は、18歳の高校生選手から現役最年長52歳のFW三浦知良と、幅広い年齢層のチームが「最後まで一体感を持ってやれたこと」を好成績の要因の一つに挙げた。 J1参入プレーオフには3位となった大宮の他、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府、モンテディオ山形が出場。21位の鹿児島ユナイテッドFCと22位のFC岐阜が、来シーズンはJ3で戦うことになった。 FC東京は惜しくも初優勝を逃したが、2位はクラブ史上最高成績となった。第8節から第27節とリーグ戦の3分の2近くで首位をキープし、11月にも一度はトップに返り咲いた。ラグビーワールドカップの影響でホームスタジアムの味の素スタジアムが使用できず、第24節から第31節までアウェイゲームが続いたものの、4勝2分2敗で乗り切った。しかし、横浜F・マリノスとの最終節を前にした2試合が引き分けに終わり、優勝のためには4点差の勝利が必要という厳しい状況に立たされた。長谷川健太監督は「最後に一番にならないと何も得ることはできない」と悔しさをにじませたが、「クラブの力は見せることができた」とシーズンを総括した。 明治安田生命J1リーグの成績によって、来シーズンのAFCチャンピオンズリーグ出場クラブも決まった。グループステージから登場するのは、明治安田生命J1優勝の横浜FMと天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会優勝クラブ。J1でそれぞれ2位、3位のFC東京と鹿島アントラーズは予選プレーオフで同ステージ進出を目指す。鹿島が天皇杯で優勝した場合、J1で4位の川崎フロンターレがプレーオフに出場する。 一方、J1第33節で松本山雅FC、ジュビロ磐田の17位以下が確定し、両クラブは来シーズン、J2で戦う。16位となった湘南ベルマーレは、J1参入プレーオフに残留を懸けることになった。アウェイゲームで優勝を決めた柏。昇格翌年にJ1で優勝した2011年のような活躍が期待される第33節のホーム最終戦で浦和レッズゴールに迫るFW永井謙佑横浜FCは13年ぶりのJ1昇格。来シーズンは横浜F・マリノスとのダービーマッチが楽しみだ柏レイソル2度目の優勝FC東京はクラブ史上最高の2位順位表順位 チーム勝点試合勝引分敗得点失点得失点差1柏レイソル844225988533+522横浜FC7942 23 10 9 66 40 +263大宮アルディージャ75 42 20 15 7 62 40 +224徳島ヴォルティス73 42 21 10 11 67 45 +225ヴァンフォーレ甲府71 42 20 11 11 64 40 +246モンテディオ山形70 42 20 10 12 59 40 +197水戸ホーリーホック70 42 19 13 10 56 37 +198京都サンガF.C. 68 42 19 11 12 59 56 +39ファジアーノ岡山65 42 18 11 13 49 47 +210アルビレックス新潟62 42 17 11 14 71 52 +1911ツエーゲン金沢61421516115846+1212V・ファーレン長崎56 42 17 5 20 57 61 -413東京ヴェルディ55 42 14 13 15 59 59 014FC琉球49 42 13 10 19 57 80 -2315レノファ山口FC47 42 13 8 21 54 70 -1616アビスパ福岡44 42 12 8 22 39 62 -2317ジェフユナイテッド千葉43 42 10 13 19 46 64 -1818FC町田ゼルビア43 42 9 16 17 36 59 -2319愛媛FC 42 42 12 6 24 46 62 -1620栃木SC 40 42 8 16 18 33 53 -2021鹿児島ユナイテッドFC40 42 11 7 24 41 73 -3222FC岐阜30 42 7 9 26 33 78 -45順位選手所属得点数1レオナルド新潟282オルンガ柏273呉屋 大翔長崎224ピーター ウタカ甲府205クリスティアーノ柏19順位選手所属得点数6イバ横浜FC 186イ ヨンジェ岡山188クレーベ千葉178一美 和成京都1710小池 純輝東京V 16得点ランキング上位「柏レイソルの皆さま、2019明治安田生命J2リーグ優勝、そしてJ1昇格おめでとうございます。選手、監督、チームスタッフ、クラブ関係者、そしてファン・サポーターなど、クラブに関わる全ての方々に心よりお祝い申し上げます。まれに見る大接戦となった明治安田生命J2リーグにおいて、中盤戦から一気にギアを上げて着実に勝点を積み重ね、第25節で首位に立って以降その座を守り切り、見事優勝の栄冠を勝ち取りました。J2最多得点・最少失点を誇り、シーズンを通じて攻守ともに安定した試合運びはさすがのひと言です。2014シーズン以来5年ぶりに指揮を執ったネルシーニョ監督のもと、第19節から11連勝という強さを発揮するなど、1年でのJ1復帰という目標を達成しました。この活躍を支えたのは、言うまでもなくファン・サポーターの皆さまです。いつ訪れても圧倒されるほどの熱気あふれる三協フロンテア柏スタジアムの大声援は、どんなときも選手を力強く後押ししたでしょう。来シーズンもこの勢いそのままに、J1昇格初年度優勝という史上初の快挙を成し遂げた2011シーズンのような快進撃で、J1をさらに盛り上げてくださることを期待しています」(11月16日)村井 満Jリーグチェアマン コメント柏レイソル2度目の優勝2vol.275 25 Dec. 2019

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