2019/10(Vol.274)
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1vol.274 31 Oct. 201931 Oct. 2019 vol.274編集・発行 公益社団法人 日本プロサッカーリーグJリーグ公式サイト https://www.jleague.jp 前日の激しい雨も上がった決勝会場の埼玉スタジアム2002には、4万8119人の入場者が詰め掛けた。この舞台に立ったのは、クラブ史上初の決勝進出を果たした北海道コンサドーレ札幌と、2年ぶり5度目となる川崎フロンターレ。川崎Fも過去4度は準優勝に終わっており、2017年のセレッソ大阪、昨年の湘南ベルマーレに続き、3年連続で新たなリーグカップウィナーが誕生する。 念願のビッグタイトルへあと一歩と迫る両クラブの戦いは、立ち上がりから息もつかせぬ攻防となった。先手を取ったのは札幌。21歳のMF菅 大輝が10分に思い切りのいいシュートで、得点の応酬の口火を切った。川崎Fも前半アディショナルタイム3分にCKのチャンスを生かし、MF阿部浩之が同点ゴールを挙げた。 後半は1-1のスコアが動かず進んだが、終盤にドラマが待っていた。まず88分、73分に交代出場のFW小林 悠が決めて、川崎Fが逆転。しかし、粘る札幌はアディショナルタイム5分、CKのボールをMF深井一希がヘディングで合わせ、土壇場で追い付いた。 延長戦でもドラマは終わらない。96分、川崎Fの守備の要であるDF谷口彰悟が、相手の得点機会阻止で退場処分。この反則で得たFKを、「プロキャリアをスタートさせてもらった川崎Fに対して、大舞台でFKは決めたいと思っていた」という札幌のDF福森晃斗が見事に直接蹴り込み、99分に再逆転に成功した。 それでも10人での戦いを余儀なくされた川崎Fは、持ち前のパスワークを生かして攻め込む。そして延長戦も後半に入った109分に、やはりCKのチャンスで小林が押し込み、起死回生の同点ゴール。120分間は3-3と譲らず、勝敗の行方は大会史上7度目のPK戦に委ねられた。 緊迫のPK戦で輝いたのは、川崎FのGK新井章太。札幌の5人目のキックをはじき、6人目もしっかりとキャッチ。今大会準々決勝から定位置をキープしている守護神の活躍でこの勝負を5-4と制し、「本当に最後の最後までどうなるか分からない試合」(小林)の決着がついた。2019JリーグYBCルヴァンカップ決勝………………………………1〜22020シーズン Jリーグクラブライセンス判定について ……………3「J.LEAGUENEWS」と振り返るJリーグの25年                         2017年&2018年………………………4〜5TOPICS(AFCチャンピオンズリーグ2019/2019シーズンの順位に基づく理念強化配分金の各年支給基準額/湘南ベルマーレ監督とクラブに制裁/8、9月度のMVP、ベストゴール、優秀監督賞発表/2020シーズン J3クラブライセンス判定結果 など)……6〜72019Jユースカップ 第27回Jリーグユース選手権大会 …… 8CONTENTS大会史上でもまれに見る接戦を制し、5度目の決勝挑戦でついに念願のカップを掲げた川崎Fヤマザキビスケット株式会社の飯島茂彰 代表取締役社長(左)からルヴァンカップを授与された川崎Fのキャプテン、小林 2019JリーグYBCルヴァンカップは10月26日に埼玉スタジアム2002で決勝を迎え、川崎フロンターレが初優勝を成し遂げた。北海道コンサドーレ札幌との対戦で、延長戦を終えて3-3の後、PK戦を5-4で制した。川崎Fは賞金1億5000万円、Jリーグカップ(チェアマン杯)、JリーグYBCルヴァンカップ(パートナー杯)、メダルを獲得。準優勝の札幌には賞金5000万円、楯、メダルが、準決勝で敗れて3位の鹿島アントラーズ、ガンバ大阪にはそれぞれ賞金2000万円、楯が授与された。川崎FのGK新井章太が決勝の最優秀選手賞を受賞し、今シーズン途中でG大阪からFCトゥウェンテ(オランダ)へ移籍したFW中村敬斗がニューヒーロー賞に輝いた。(2ページに関連記事)ⓒJ.LEAGUE決勝の最優秀選手に選出されたのは川崎Fの新井(右)。PK戦で2本のシュートをセーブした活躍が光るⓒJ.LEAGUEⓒJ.LEAGUE川崎フロンターレが初優勝

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