Ⅱ.タンピネス・ハブ Jリーグシンガポール視察2019報告書 (2019年6月14~17日) 7 1.タンピネス・ハブ (1)タンピネス タンピネスは、シンガポール東部における産業、交通のハブとして1980年代以降に開発された新興住宅地である。人口は25万7000人、面積は2089ha。滞在したセントラル地区のCity Hall駅から地下鉄East West LINEを利用し、約25~30分の距離である。近隣にはTampines Mall、Tampines One、センチュリー・スクエア、Tampines IKEAなどの大型ショッピングモールがあり、視察日が土曜日であったこともあり、街そのものは大変なにぎわいであった。 1989年に開業したタンピネス駅 East West LINEとDowntown LINEが乗り入れる (2) タンピネス・ハブ ① アクセス タンピネス・ハブ(Our Tampines Hub : OTH)はタンピネス駅から徒歩約7分の立地である。 ② 施設の概要 OTHは「旧タンピネス・スタジアム」と「タンピネススポーツホール」を解体し、その跡地を利用して2013年6月に着工。スタジアム、プール、インドア・アリーナ、フィットネス・ジムなどのスポーツ施設を中心に地域図書館、パブリック・サービス・センターなどの行政施設、クリニック、リハビリセンターなどの医療・福祉系施設、ボウリング場、シアターなどのレクリエーション施設、ショッピングモール、飲食店などの商業施設の機能を複合して建設された地上7階、地下2階(敷地面積:5万7000㎡、総床面積:23万2000㎡)の地域住民ための大型「コミュニティー&ライフスタイルハブ」である。建設費は約5億シンガポールドル(※約405億円)である。 ※竣工当時レートで1シンガポールドル=81.03円 所有はシンガポール政府、施設全体はPeople’s Association(PA)※が管理・運営をしている。 また、スタジアム、Arena@OHT、Community Auditoriumを除く、主要なスポーツ施設の管理・運営はスポーツシンガポール(スポーツSG)が行っている。設計はDP ARCHITECTSが担当し、施設全体は地域住民1万5000人のフィードバックを反映したデザインとなっている。 ※People’s Association(人民協会) 1960年に人種の調和と社会的結束を促進するため設立された法定委員会。約1800に及ぶグラスルーツ組織、100以上のコミュニティー・クラブ、5つのコミュニティー開発評議会を統括・監督している。Ministry Of Culture, Community And Youth(MCCY 文化・社会・青年省)Ⅱ. タンピネス・ハブ(Our Tampines Hub) 2019年6月15日訪問 井ノ口 弘彦
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