Jリーグシンガポール視察 2019 報告書
6/32

Ⅰ.シンガポール・スポーツハブ Jリーグシンガポール視察2019報告書 (2019年6月14~17日) 6 約12m後退することになる。 完成した2014年10月14日、サッカー国際親善試合 ブラジル代表vs日本代表を開催。Desso社のハイブリッド芝 GrassMasterを敷設したが、全く根付かずに、ピッチは波打つ畑状態となった。 ※4-0で勝ったブラジルの4ゴールは全てネイマール。日照が制限され、風通しも悪い構造により、天然芝には厳しい環境になっている 4.スポーツ・シンガポール(Sports SG) (1)陸上競技場の中にオフィス 政府機関が法人化した(例えれば、独立行政法人 日本スポーツ振興センターのような)スポーツSGのオフィスはナショナルスタジアムの中にある。 (2)「Vision 2030」 スポーツSGは、文化・社会・青年省(MCCY)の傘下でスポーツ政策を担当。シンガポールの精神を刺激し、スポーツを通じて同国を変革することを目的としている。 2011年に「Vision2030」を策定、スポーツを通して健康増進、思いやりと一体感のあるコミュニティー、強い国民的アイデンティティーと誇りを視野に置いた政策を打ち出した。 Vision 2030は20 の提言で構成され、その中に、機会創出として打ち出された「Active SG」 があり、スポーツSGが管理・運営するスーパースポーツクラブ組織=公共スポーツ施設のソフト施策の「スポーツ施設マスタープラン(Sports Facilities Master Plan : SFMP)」と、利用しやすいスポーツ施設やプログラムを提供するハード施策がある。 シンガポール・スポーツハブは、このSFMPを具現化した「全てのための質の高いスポーツスペース」として建設された第一号である。 (3) 4段階の規模に分けた全国展開 スポーツSGは、SFMPを4段階に分けて、国内に拡充する計画を持っている。巨大なシンガポール・ハブは「Tier 1」、スタジアムを核として行政サービスや図書館、医療福祉を複合したタンピネス・ハブは「Tier 2」、エリア規模や投資額を抑えた「Tier 3」「Tier 4」と、整備計画がある。 施設所有者であるスポーツSGは、ActiveSGの推進者として、運営主体である民間のSHPLをコントロールしている。SHPLは施設の稼働、イベント招へいを委託され、スポーツ消費者のニーズに常に耳を傾けている。学校行事とのタイアップも同社による。 リーダーのサンドラをはじめ、女性5人によるプレゼンは20時40分に始まり、22時まで続いた。スポーツ・ネットワークの基地は、熱意あふれる彼女らによって支えられていた。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る