Ⅴ.ゲイラン・インターナショナルFC Jリーグシンガポール視察2019報告書 (2019年6月14~17日) 23 1.ゲイラン・インターナショナルFCとは (1)概要 ゲイラン・インターナショナルFC(Geylang International FC)は、国際的なクラブを目指して1974年に設立された。1996年のSリーグ開幕時にクラブ名を「Geylang United FC」に変更したが、2013年に以前のクラブ名に戻している。 1970~80年代には多くのタイトルを獲得し、最も成功したクラブの一つとなった。1996年のSリーグ初代王者でもあり、Sリーグ開幕後の優勝回数は多くないものの、多くの代表選手を輩出する強豪クラブである。 メインスポンサーであるEPSONの縁で、2016年にJリーグの松本山雅FCと業務提携契約を締結。アカデミー選手やチームの交流、指導者の派遣などで連携している。 クラブカラーは緑で、愛称は「The Eagles」。これはクラブのマスコットがワシ(eagle)であることに由来している。 クラブのエンブレムとユニフォーム ベドック地区のベドックスタジアムをホームスタジアムとしてきたが、シンガポールサッカー協会(FAS)の「the shared stadium initiative」により、2019年からタンピネス・ローバーズFCとタンピネス・タウン・スクエア(Tampines Town Square)をホームスタジアムとしてシェアすることとなった。 (2)主な獲得タイトル 【国内】 • シンガポールプレミアリーグ(Sリーグ):優勝2回(1996、2001) • シンガポール・カップ:優勝1回(1996) • 旧シンガポール国内リーグでは、プレミアディビジョン優勝4回、ナショナルリーグ優勝2回、プレジデンツ・カップ優勝5回 【国際大会】 なし (3)経営状況 営業収益は約100万シンガポールドル(約7900万円)であり、内訳は、スポンサー収入20万シンガポールドル(約1600万円)、FASからの補助金が70万シンガポールドル(約5500万円)、入場料収入、物販収入はほとんどない状態である。 スポンサー収入のほとんどは、ユニフォームの胸スポンサーであるEPSONからのものであり、クラブとしては拡大の必要性を考えているものの、平均入場者数が1000人程度であり、企業に価値をアピールするのが難しい状況である。タンピネス地区とベドック地区は隣接しているため、入場者数に関してホームスタジアム変更の影響はそれほど大きくはない。 FASからの補助金は、Sports SGからFASに支Ⅴ. ゲイラン・インターナショナルFC(Geylang International FC) 2019年6月16日訪問 大城 亨太
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