Jリーグシンガポール視察 2019 報告書
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Ⅳ.タンピネス・ローバーズFC Jリーグシンガポール視察2019報告書 (2019年6月14~17日) 22 4.ホームスタジアム (1)タンピネス・タウン・スクエアとの関係 タンピネス・ローバーズFCは、タンピネス・タウン・スクエアを運営する人民協会(People's Association : PA)から見ると一利用者という位置付けではあるものの、タンピネス地区のプロクラブということでピッチ利用に関する優遇措置を受けている。ただし、ゲイラン・インターナショナルFCとの調整は必要である。あくまで行政の施設であるので、それほど密にPAとコミュニケーションを取っているわけではない。ピッチの利用方針はSports SGやPAが決定し、基本的にはクラブはそれに従うだけである。 (2)AFC公式試合では使用不可 Our Tampines Hubを整備する際にも、Sports SGやPAから、事前に詳細な相談があったわけではなかった。あくまで公共施設であり、サッカーを優先に考えられた施設ではない。スタンド以外の三辺の周辺施設からもいつでもピッチを眺めることができるため、AFCのインスペクションでは公式試合では使用不可との結論であった。クラブの試算では、周辺施設に目隠しのようなものを設置するとなると、6万シンガポールドル(約470万円)の費用が発生するため、現実的ではない。 (3)施設の盛り上げに貢献 PAは施設の収益よりも稼働率を最も重視しており、クラブとしてもそれに貢献するためにイベントの開催などで協力している。現在検討している企画は、24時間のサッカートーナメントである。夕方(17時半~)に子どものトーナメントを行い、その後21時から翌日の21時まで大人のトーナメントを行う計画である。2006年に、旧タンピネス・スタジアムでも賞金5000シンガポールドル(約40万円)で開催したことがあるが、その際は大変好評であり、スタンドが満員の状態であった。今回の企画も、周辺施設との詳細の調整はこれからであるが、Sports SGとPAは、多くの人がOur Tampines Hubを訪問し、消費が活発になると大変期待してくれている。 (4)スタジアムのシェア FASによるthe shared stadium initiativeの導入には驚いたが、考え方は理解できるものであったため、特に反対することはなかった。Our Tampines Hubの活性化としても良いことだと考えている。ホームスタジアムを移すことになったゲイラン・インターナショナルFCが苦労することのないよう、ピッチの調整には気を使っている。 クラブの事務所をOur Tampines Hub内に移すという話もあったが、徒歩数分の場所にある現在の事務所の家賃が2000シンガポールドル(約16万円)であるのに対し、引っ越すと1万シンガポールドル(約80万円)となってしまい、ゲイラン・インターナショナルFCのようにホームスタジアム移転に関する補助も得られないため、断念することとした。 ※換算レートは、1シンガポールドル=78.85円(2019年6月時点)を用いた

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