Jリーグシンガポール視察 2019 報告書
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Ⅳ.タンピネス・ローバーズFC Jリーグシンガポール視察2019報告書 (2019年6月14~17日) 20 リーグ戦は、3月から10月にかけて、9クラブの3回戦総当たりで行われている。下位のリーグ(ナショナルフットボールリーグ)とは連携しておらず、昇降格のない形で運営されている。 (2)歴史 1996年のSリーグ発足当時は、プロクラブが2、アマチュアが6の計8クラブという構成でスタートした。その後クラブ数は最大12まで増えたが、財政問題によるクラブ経営の悪化や、リーグの運営方針の変更などによって、現在は9クラブとなっている。 2003年には、リーグの関心を高めることを目的として、外国クラブのリーグ参加を認めることとした。第1号は中国のシンチFC(Sinchi Football Club)であった。翌2004年には、シンガポールサッカーのレベルアップへの貢献と、選手の国際経験の充実化を図ることを目指し、アルビレックス新潟シンガポール(Albirex Niigata Singapore FC)がSリーグに参戦した。参入当初は日本の本体からの財政援助を受けていたが、その後単体で黒字を確保するようになり、2016年から2018年にかけてはリーグ3連覇を果たした強豪クラブとなっている。ちなみに、外国クラブで初の優勝を果たしたのは、2010年、フランスのエトワールFC(Étoile Football Club)である。 2018年のリブランディングに併せて、国内選手の育成を目指し、各クラブでの外国籍選手登録は2人まで、30歳以上の選手は6人まで、23歳以下の選手を最低6人以上登録し、そのうちスタメンに3人以上起用する必要がある、といったレギュレーションの変更を行った。 (3)所属9クラブ • アルビレックス新潟シンガポールFC 【日本】 Albirex Niigata Singapore FC • バレスティア・カルサFC Balestier Khalsa Football Club • ドゥリ・ペンギラン・ムダ・マーコタFC 【ブルネイ】 DPMM FC • ゲイラン・インターナショナルFC Geylang International FC • ホーム・ユナイテッドFC Home United FC • ホウガン・ユナイテッドFC Hougang United FC • タンピネス・ローバーズFC Tampines Rovers FC • ウォリアーズFC Warriors FC • ヤング・ライオンズFC Young Lions FC 【23歳以下の選手で構成される 選抜チーム】 ※現在の特別クラブは3クラブ 3.タンピネス・ローバーズFCとは (1)概要 タンピネス・ローバーズFCは、1945年にタンピネス地区のサッカー愛好家によって組織化されたクラブである。 シンガポールアマチュアリーグ3Aよりスタートし、1976年に当時の1部リーグに昇格。1979~80年にはリーグ連覇をするなど、黄金時代を迎えた。1996年のSリーグ開幕後は優勝から遠ざかっていたが、2004~13年の10年間で5度のリーグ優勝を成し遂げた強豪クラブである。 クラブカラーは黄と青で、愛称は「The Stags」。これはクラブのマスコットがシカ(stag)であることに由来している。

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