2018
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1.2018シーズン総括FIFAワールドカップでベスト16となった日本代表の活躍がまだ記憶に新しいですが、Jリーグもちょうど開幕25周年の節目となったシーズンでした。2018明治安田生命J1リーグのチャンピオンは川崎フロンターレです。ある人が川崎Fのサッカーを説明していたのが印象に残っています。高度な戦術に基づき人もボールも有機的に動くサッカーは非常に頭を使う。シーズンの84の満員試合※のうち、実に16試合が川崎Fの試合でしたが、魅力的なフットボールが満員に大きく寄与していると感じました。それだけではなく川崎Fは「地域に大きな貢献をしている」と来場者が答えた数が9年連続でトップです。Jリーグ初期の苦労を知るベテラン選手やスタッフの積極的に地域へ出向く姿勢が、継承されているのでしょう。チャンピオンクラブのこうした歴史は、新たに地域に根付こうとしている他のクラブにも、大きな励みになると考えます。ことしはもう一つうれしいニュースがありました。鹿島アントラーズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝し、Jクラブが連覇しました。他にもJリーグYBCルヴァンカップを制して悲願の初タイトルを獲得した湘南ベルマーレや、大勢のサポーターに支持され明治安田生命J2リーグで優勝した松本山雅FC、沖縄へ初タイトルをもたらしたFC琉球など、個性あふれるクラブが躍進する姿はまさにリーグの目指す姿であり、頼もしく感じています。Jリーグが25年たっても変わらないもの、それは、多くのファン・サポーターの支えです。2018年はワールドカップイヤーで試合日程が変則になり、平日開催が増えました。当初は落ち込みの懸念もありましたが、J1・J2で前年比プラスとなりました。台風や豪雨などで中止となる試合も多く、楽しみにしていたお客様は残念な思いをされたことでしょう。変則日程となったにもかかわらず、J1は10年ぶりに平均入場者数が1万9000人を超え、1,000万人を超える方がJリーグを訪れてくださいました。ご来場いただいた全ての方と懸命な運営努力をしたクラブに、心より感謝申し上げます。※満員試合:入場可能数の80%以上8703COMMENTSチェアマン総括 | 村井 満

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