▶ 国際戦略Jリーグのアジア戦略は追い風にJリーグはアジア戦略として、日本サッカーのノウハウを活用して、アジアサッカーにおける競技面、経済面の発展に貢献し、欧州へ流入している資源をアジア内で還流させることを狙いとして、4つの柱を定めている。特に、直近では「アジア各国の有望選手の獲得」が実現できつつあることで、次なる「リーグへの関心度向上」への追い風となっている。アジアの有望選手のJリーグ加入が意味すること2017年よりJリーグが提携国選手枠を設け※、クラブがASEANの有望選手の獲得を検討しやすくなり、多くのASEAN選手がJリーグでプレーしているが、最近ではタイ出身選手の活躍が目立っている。2018年にはチャナティップ ソングラシン(札幌)をはじめ、ティーラシン デーンダー(広島)やティーラトン ブンマタン(神戸)など3人がJ1をプレーし、合計5人のタイ選手がJリーグに加入している。このようなタイ選手の加入により現地でのJリーグへの注目が高まり、試合放送やデジタルプロモーションを通じて、Jリーグの露出、関心度が高まりつつある。一方、ASEAN選手の加入をうまく活用することはクラブ・企業へのメリットも生まれている。北海道コンサドーレ札幌はタイでの販売促進を進める赤城乳業とアジアプロモーションパートナーシップを締結し、チャナティップを起用した広告展開を実施するなど、スポンサー企業への価値提供につなげている。タイでの成功モデルをASEANで横展開今後の戦略Jリーグは世界各国の放送局での試合中継やニュース映像の放送・配信などにより、露出の増加や接点の拡大を図っている。世界におけるJリーグそのものの認知度を高めることで、リーグ全体の価値向上につなげることはもちろん、今後もタイでの認知度や露出をさらに高めるとともに、タイの成功モデルを他国にも展開し、様々な国の有望なプレーヤーが集まる「アジアのプレミアリーグ」としてのJリーグの認知度向上を図っていく。アジア戦略の4つの柱タイにおけるトップリーグの関心度(2018年2月)Facebook(タイ語)フォロワー数[Jリーグ公式](フォロワー)(%)EPL2018.012018.022018.032018.042018.052018.062018.072018.082018.092018.10THI LEAGUELALIGABUNDESLIGASERIE ALIGUE 12017.122018.022017.072015.032013.113730251940384057597678169,503202,867238,206269,441286,757289,658300,642341,211346,542351,741J.LEAGUE+21%※アジアの提携国の選手は試合エントリー時に外国籍選手枠に含めないJ1 30 試合出場チャナティップJ1 28 試合出場ティーラトンJ1 32 試合出場ティーラシンクラブのアジア進出サポートサッカーを通じた社会貢献活動アジア各国の有望選手の獲得リーグへの関心度向上©J.LEAGUE©J.LEAGUE©J.LEAGUE出典:Nielsen Sports7302MANAGEMENT STRATEGYBusiness&Management 戦略の全体像施策
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