2018
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経営人材を育てるためのスポーツヒューマンキャピタル(SHC)設立を始めとして、この数年はスポーツ界の外側からの人材流入が図られてきた。今年は2030ビジョンが策定されたことに伴い、それを実現するための人材要件も見えてきた。プロ人材がアップデートし続けること、プロ人材がスポーツ組織を通じてより進化する仕組みを創っていくことも重要だ。つまり、外からの人材流入だけではなく、継続的に学び続ける環境をつくるために、職員のキャリアサポートが肝になる。時には外の世界に出ることで最先端の知識を学ぶ必要もある。ゆくゆくは、スポーツ界出身の人材がビジネス界で活躍するモデルが沢山生まれ、ある種の人材輩出会社となっていくことも理想形だ。人々がスポーツ組織の中外をいったりきたりすることで、人と組織が共に成長していく流れを創りたい。2019以降は戦略的な人材交流をスタートさせ、ビジョン実現のスピードをあげていく。▶ Jリーグの進化のカギは人材開発にあり2019年の重点投資分野(4領域別)社会連携社会連携活動を伝えるためのノウハウの共有、地域ネットワーク拡大の場を提供 Jリーグ、Jクラブが社会的価値の高い団体であると一般社会、産業界に認知してもらえるように活動をサポートするフットボール判定精度向上を意図したVAR導入の検討に際する取り組みJFA協働事業の育成ノウハウを引き継いだ、Jリーグ独自の育成戦略策定として海外指導者招聘、海外遠征支援の実施顧客価値デジタルマーケティング戦略として次期ワンタッチパスの開発、マーケティングデータ連携強化の推進 フライデーナイトJリーグの更なる浸透、新規顧客の開拓に向けた取組の実施事業強化/経営基盤海外情報発信の強化として英語Facebookの導入、東南アジア特にタイにおける露出拡大政策の実施 ■図1:SHC▶ シンクタンク研究員▶ 会社経営▶ 銀行員▶ 自治体職員▶ 元アスリート など様々な業界からの受講生▶ スポーツ庁▶ ラグビーワールドカップ組織委員会▶ Tリーグ(卓球)▶ Bリーグ(バスケットボール)▶ 日本ホッケー協会▶ 日本ハンドボール協会 などサッカー界にとどまらないExit先2015-2018 合計186名2015-2018 J関係者 13名 その他スポーツ界 30名 合計 43名浦和レッズ淵田 敬三社長のコメント私たちのクラブはJリーグヒューマンキャピタル(現スポーツヒューマンキャピタル)第1期から第6期まで全てで職員を派遣しています。受講を通じてスポーツ界以外の幅広い世間を知ることや、管理職に必要な素地を学ばせることにつなげています。受講希望者には論文を書いてもらい、クラブへフィードバックすることを意識させています。実際に受講後は、クラブ経営全般を意識した言動が増えていると感じられます。質の高いビジネススキルと、スポーツ界独自の特徴の両方を身に着けることで、クラブの将来を担う人材に育ってほしいです。2019年の重点投資方針DAZN3年目、ビジョンを見据えたメリハリのある予算編成へ2019年度はJFA協働事業の期間終了に伴う影響などにより、収益は250百万円ほど減少見込。一方、理念強化配分金の2年目支給が開始されることから賞金・配分金は750百万円ほど増加。理念強化配分金の制度設計上、導入2年目の収支が厳しくなることは想定されていた為、2017年度の収益超過額を原資として組み込むことで必要な財源を確保している。賞金・配分金以外の経費は若干減少しているが、成長の歩みを止めないように、予算編成の段階において既存費用を期待効果および効率性の観点から網羅的に見直しつつ、Jリーグビジョン2030及び中期計画2022の目標達成を見据えて、2019年度重点施策の実施に必要な予算を確保した。※SHCが紹介していない案件を含む6902MANAGEMENT STRATEGYBusiness&Management 戦略の全体像施策

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