JリーグはDAZNと、リーグ戦の試合中継における有料配信権として、10年で約2100億円の公衆送信権契約を締結した。日本のスポーツ界にはなかった大型契約により、リーグの17年度予算は初めて200億円を超え、クラブへの配分金も、競争原理を促すインセンティブと、クラブ経営の安定化を促すセーフティネットの両方を目指せる制度設計が可能となり、18年から本格的に導入されている。一方、クラブ経営の観点でも、2013年に本格導入したクラブライセンス制度が6年目を迎え、3期連続で債務超過ゼロ、3期連続赤字ゼロとなり、2017年度のクラブ経営情報開示において、54クラブの営業収益の合計がリーグ史上初めて1,000億円を突破するなど、拡大均衡傾向で推移している。3期目となった村井 満チェアマンは、こうした状況を踏まえて、理念の実現を加速するためのリーグ経営を実行するため、ボードメンバーに長年クラブ経営を担ってきた木村正明を新たに事業領域専任の理事に据え、革新的な成長を可能とする事業の拡大を目指す。さらに、公認会計士であり公・民様々な組織の再建を担ってきた米田 惠美を理事に招へいし、持続的なリーグ経営基盤を確立するための財務管理や、組織・人材開発を軸とした経営基盤強化に本腰を入れていく。6702MANAGEMENT STRATEGYBusiness&Management 施策戦略の全体像
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