2018
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スタジアムにおける収益性や顧客満足度を高めるために、海外のスタジアムには必ず「広いビジネスラウンジ」や「個室のスカイボックス」といったホスピタリティ設備が来賓用のVIP席とは別に設けられている。ウィーンのアリアンツ・シュタディオンのビジネスラウンジは、1,800人を収容することが可能で、毎試合多くの観客で賑わっている。1試合のチケット代は€180(約24,000円)から。キックオフの2時間前から試合終了2時間後まで、温かい食事とビールなどの飲み物を楽しむことができ、家族や仲間と豊かな時間を過ごすコミュニケーションの場となっている。ドイツのビッグクラブ、バイエルン・ミュンヘンのホームであるアリアンツ・アレナのスカイボックスは、日本円で年間およそ1,300万円~4,000万円と高額だが、70社あまりがキャンセル待ちの状態である。契約企業は24時間365日、自社で装飾したスカイボックスを使用することが可能で、年間を通じて会議やイベント、パーティに使用することができる。2部リーグの小さなクラブ、例えば、ドイツの人口15万人程度の街、インゴルシュタットやレーゲンスブルクにあるスタジアムにも、そのようなホスピタリティ設備が備えられている。また、スタジアム内でのアプリ利用や動画閲覧が今後より増加していくことを考えると、高密度Wi-Fiなどの大容量高速通信設備も必須の設備となっていくに違いない。コンチネンタル・アレナ(レーゲンスブルク)のラウンジアリアンツ・アレナのスカイボックスアリアンツ・シュタディオンのビジネスラウンジアウディ・シュポルトパルク(インゴルシュタット)のラウンジフットボールスタジアムスタジアムの「劇場」としての価値を最大化するためには、ピッチからスタンドまでの距離が近いフットボールスタジアムが必須である。臨場感、一体感、フットボールの魅力を最大限引き出す形状であることは疑いようがない。陸上は陸上競技場で、野球は野球場で、フットボールはフットボールスタジアムで。競技の専門性と感動を最大限に引き出す「舞台」。これがスポーツ文化の大前提である。ホスピタリティ設備 [ビジネスラウンジ、スカイボックス、大容量高速通信設備(高密度Wi-Fiなど)]©J.LEAGUE©J.LEAGUE©J.LEAGUE©J.LEAGUE6302MANAGEMENT STRATEGYFor Fan&Customer有識者インタビュー戦略の全体像施策

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