VAR導入後も、プレーが再開された後に主審の判定を変更できないことは、変わらない。ただし、乱暴な行為等の退場に相当する反則、又は警告や退場の人間違いが見逃されていた場合は、再開後でもレビューし、適切な懲戒の罰を与えることができる。当初の判定(VARなし)当初の判定(VARあり)IFABはVARについて、試合における全ての判定ミスをなくすことをめざすものでない、と強調しています。試合の結果を左右する重大な場面での明らかなミスをなくすのが、VARの目的です。途切れることなく攻防が連続するサッカー本来の魅力を損なわないよう、最小の干渉で最大の利益を得ることをめざします。VARが介入できるのは、得点・PK・退場(2つ目の警告を除く)・カード提示の人間違いという4つ事象に関する「はっきりとした、明白な間違い」、およびピッチ上の審判員の誰もが確認できなかった「見逃された重大な事象」があったときに限られます。FIFA加盟国を対象としたVARの導入実験972試合を基にしたIFABの分析結果では、約3試合に1回の割合でVARによるレビューが起こり、そのレビューにかかる平均時間は55秒/回でした。これは、試合時間の1%のみにしかあたりませんが、レビュー後の判定の正確さはVARなしの場合が93%、VARありの場合は98.8%と大きく向上しています。現在、VARを導入している大陸・国・大会は20を超えており、今後もこの潮流は続いていくことが見込まれます。VARを導入するためには、担当する審判員や使用するテクノロジー、スタジアムに対するFIFA・IFABからの認可が必要であり、JリーグではJFA審判委員会と協力のうえ、2018年にはVAR機材を活用した審判トレーニングやユース年代の大会での導入を段階的に行っており、2019年にはJリーグ公式戦での試験的導入を目指しています。VARが明らかな間違いを正した結果得られた付加価値判定の正確性の向上国際サッカー評議会(IFAB)は、2018年3月の年次総会で映像を用いて主審を援助するビデオアシスタントレフェリー(VAR)の正式採用を決定しました。2018ロシア大会は史上初めてVARが導入されたFIFAワールドカップとなりました。ビデオアシスタントレフェリー(VAR)現在、Jリーグでは2030ビジョンとして12年の計画を立てている。ただ、4年タームでサッカーはいろいろなイノベーションが起こっているので、Jリーグもその時間軸をビジョンに反映させながら、仮説の設計と検証を繰り返して、適宜戦略の見直しを実施していきたいと考えている。今議論している外国籍選手枠やホームグロウン制度なども時間軸を考慮して、目指す姿から逆算しながら検討していきたい。2030年を見据えて仮説の設計と検証を繰り返す©N.G.E©getty images©getty images©J.LEAGUE93.0%98.8%+5.8%01RESULTS & TOPICS特集 1292901RESULTS & TOPICS特集
元のページ ../index.html#31