▶ ホームゲームにおける影響▶ アウェイゲームへの影響▶ アウェイゲームの集客力集客への影響J1全体の平均入場者数が1.0%の増加にとどまっているのに対し、イニエスタやトーレスが加入した神戸と鳥栖のホームゲームにおける年間の増減率はそれぞれ18.4%増、5.7%増であり、両選手の集客効果が大きいことがわかる。特に、2018シーズンにおける両選手の加入前後を比べると増減率は驚異的なものであることが下表より伺える。神戸と鳥栖が、他のクラブと比較してどれだけアウェイゲームで集客したかを標準偏差で比較したのが下表である。イニエスタとトーレスが加入する前と加入した後でその集客力の変化を比較すると2016シーズンから加入前までは、両クラブともに集客力は標準となる50を下回っており、他のクラブと比べて低い。しかし、2018シーズンに両選手が加入した後は、集客力が急上昇し、アウェイゲームにおける集客力が大幅にアップしている。イニエスタやトーレスは、ホームクラブのファンだけではなく、アウェイクラブのファンも惹きつけた。出場予定の試合のチケットは多くが完売し、新たな観戦者も呼びよせた。下表は、神戸と鳥栖それぞれのアウェイゲームのうち、前年と同じスタジアムで行われた同じカードの試合の中で、入場者数が大きく増加したカードと、その試合における新規観戦者の割合である。2018FIFAワールドカップ後、同じスタジアムで行われた休日開催の同カードの試合の中で、前年より入場者数が増加したのは37試合あった。その対戦カードを見ると、15試合(全体の40.5%)がヴィッセル神戸、サガン鳥栖に関連する試合であることがわかった。しかも、その増加率の平均は前年比49%増加しており、目覚ましい増加率である。両チームはそれぞれ夏の登録ウインドーで、スペインのスーパースターであるアンドレス イニエスタとフェルナンド トーレスが加入しており、注目を集めた。本頁では、その影響を数値をもって可視化したい。絶対値としての入場者数の増減ではなく、標準偏差を使用したのは、以下の①②のバラつきを排除するためである。どのチーム、どのスタジアムであっても同一に評価するため、標準偏差を用い尺度を揃えて評価した。①各スタジアムの入場可能数によるバラつき②1クラブのシーズンのなかでの集客力のバラつき (例)F東京の集客率は27.4%~91.4%と上下にバラつきがあり平均集客率は53.9%である。一方で、川崎Fは63.8%~91.3%と集客率にバラつきが少なく平均集客率も86.5%と高いためアウェイエリアが少ないと考えられる。神戸鳥栖2018(加入後)65.156.72018(加入前)46.648.2201746.648.2201644.547.3※新規率は、Jリーグチケットでのチケット購入者のうち、あらたにJリーグチケットに登録した人の割合で算出している。J1リーグの平均新規率(イニエスタ、トーレスと対戦する可能性がなかった他の試合)は10.4%であった。Home浦和札幌F東京仙台Away神戸神戸鳥栖鳥栖201855,689人(第27節)32,475人(第25節)30,867人(第25節)18,023人(第30節)201729,931人(第29節)12,644人(第14節)19,669人(第5節)12,652人(第25節)増減+25,758人+19,831人+11,198人+5,371人増減率86.1%↑156.8%↑56.9%↑42.5%↑新規率※24.5%37.5%29.0%20.4%神戸鳥栖2018(加入後)平均入場者数24,752人17,265人2018(加入前)平均入場者数17,170人12,452人増減+7,582人+4,813人増減率44.2%↑38.7%↑神戸戦・鳥栖戦22回59.5%15試合40.5%昨年より入場者数が増加した試合[37試合]2401RESULTS & TOPICSANALYSIS
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