2vol.267 9 Nov. 20182vol.267 9 Nov. 2018※準々決勝・準決勝:第1戦はトーナメント表右側のクラブのホームゲームとし、第2戦は左側のクラブのホームゲームとする。決勝:トーナメント表左側のクラブをホーム扱いとするWINNERS1―0 1992年に始まり、今回が26回目の開催(95年は開催なし)となる2018JリーグYBCルヴァンカップは、湘南ベルマーレ、横浜F・マリノスという神奈川県にホームタウンがあるクラブの対決となった。「神奈川ダービー」とも呼ばれるカードで、同県のライバルが対戦するダービーマッチがルヴァンカップ決勝で実現するのは、今回が初めてである。 試合は攻守にアグレッシブなプレーを前面に出した湘南が前半に先行し、後半の横浜FMの猛反撃をしのいで逃げ切った。湘南にとってはベルマーレ平塚時代の1994シーズンに優勝した第74回天皇杯全日本サッカー選手権大会以来、24年ぶりの国内主要タイトル獲得となった。 湘南は曺 貴裁監督が決勝前日会見で「スペクタクルな、ゴール前のシーンが多い試合にしたい」と語ったとおり、開始直後から積極的に横浜FMのゴールに迫った。前線の厳しいプレスと素早い攻守の切り替えで次々に得点機をつくった湘南が、均衡を破ったのは36分。相手陣内中央でこぼれ球を拾ったMF杉岡大暉が「一本、思い切り打っとこう」と放った左足シュートが、懸命にセーブしようとするGK飯倉大樹の手をはじいてゴールネットに突き刺さった。 Jリーグトラッキングデータによれば、前半の湘南のボール支配率は36%ながら、走行距離は55.590㎞(横浜FMは52.955㎞)、スプリント101回(同76回)と、持ち前の走力を存分に発揮。「試合は楽しかった。前半、特に」と湘南のMF岡本拓也は振り返った。 ところが、後半に入ると試合の流れは徐々に変わる。湘南の前線からのプレスが弱まり、自陣で守備を固めるような態勢となったため、横浜FMが容易にボールを前へ運べるようになって「前半と後半では全く違うゲームになった」(横浜FMのMF扇原貴宏)。そしてFWのウーゴ ヴィエイラ、仲川輝人、MF天野 純といった技術の高い横浜FMの攻撃陣がペナルティーエリア内でボールを受けられるようになり、湘南は防戦一方となった。それでもDF坂 圭祐らの湘南守備陣は、ますます強度を増す横浜FMの攻勢をしのぎ、4分間のアディショナルタイムも耐え抜いてタイムアップ。「僕たちが一番突きたいところは、相手もしっかり守っていた」(横浜FMのFW伊藤 翔)という堅守は、ついに崩れなかった。こうして1点を争う手に汗握る攻防は、1-0の最少得点差で湘南に軍配が上がった。決勝にふさわしく緊迫感にあふれ、ゴール前のアクションが多い好試合。ルヴァンカップは昨年のセレッソ大阪に続く新たな覇者が、その歴史に名を刻んだ。決勝史上初の同県勢対決前半先行の湘南ベルマーレが横浜F・マリノスの猛追かわす値千金のゴールを決める20歳の杉岡。横浜FMのディフェンスラインが一瞬、後退したのを見逃さず、思い切りよく左足を振り抜いた湘南の31歳のベテランFW梅崎 司も奮闘。豊富な運動量でチームをけん引した。右は横浜FMのMF大津祐樹天野(右、横浜FM)の折り返しを、身をていして防ぐ湘南の20歳、MF金子大毅横浜FMは後半、再三のクロス攻撃を試みるも、湘南は174センチのルーキー、坂(中央、20番)らが懸命にはね返した2018Jリーグ YBCルヴァンカッププライムステージ2018年10月27日 13:10キック オフ 埼玉スタジアム2002湘南ベルマーレ 1 0 横浜F・マリノス【入場者数】4万4242人【主審】木村 博之【副審】相樂 亨/聳城 巧【追加副審】荒木 友輔/廣瀬 格【第4の審判員】三原 純【得点経過】36分 1-0 杉岡 大暉 ①0–3②2–2①2–2②1–1①4–0②3–1① 1-1② 2-2(PK5-4)① 2-1② 2-2①1–1②1–3【準々決勝】【準決勝】【決勝】POS:プレーオフステージ勝者C大阪(ACL)柏(ACL)甲府(POS)鹿島(ACL)川崎F(ACL)G大阪(POS)横浜FM(POS)湘南(POS)
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