2015
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スターをつくることが急務SNS株式会社 ファウンダー 「スター」「スタジアム」「ITの活用」が現代のプロスポーツ成功の3条件と言われますが、今のJリーグはほとんど満たせていないと思います。特に「スター」。スターがいなくなったプロスポーツは、あっと言う間に廃れます。スターは待っていて出てくるものではなく、自分たちで投資して生み出していくもの。クラブ個々の予算には限界があり、かつリーグ全体の課題であるため、Jリーグが主体的に進めていく必要があります。 スターは、もちろん日本人に限りません。アジアマネーを念頭に入れるのであれば、アジアのスター選手の起用はどうでしょう。たとえば、先日の代表戦の活躍で話題になったシンガポールのゴールキーパー、イズワン・マフブド。倍の年俸を提示して呼ぶという方法もあります。 「スター」を作るには、その対抗馬、「ヒール」も重要です。資金力ゆえにタレントを抱え、憎たらしいほど強い常勝チームはヒールの典型例。スペインだってレアルマドリードとバルセロナの突出がリーグを盛り上げています。各チーム横並びも良いですが、Jリーグを知らない人にとっては、分かりやすい構図がないと楽しめないのではないでしょうか。番狂わせは毎年起こっていたら面白くない。憎たらしいほど強いチームがたまに負けるのが面白いのです。スターの重要性街なかにスタジアムを。ITベンチャーとの協業で試合観戦はもっと楽しくできる 「スタジアム」はなんといっても立地が重要。街の中心につくらないとダメです。そのためには都市開発の計画の段階でスタジアムを入れてもらうしかない。集客効果や産業振興への影響、そして魅力的な投資対象であることを、自治体や地元企業にプレゼンしていく必要があります。 その文脈でも、「ITの活用」が重要。ドローンの活用やプロジェクションマッピングによる演出など、スタジアム観戦を面白くする仕掛けの可能性は大きい。ウェアラブルカメラやセンサー入りのシューズなど、サッカーの「見せ方」を変える可能性を、外部企業と探ってみてはどうでしょう。ここで重要なのは、自前で完結しようとしないこと。大きな組織のやり方ではなかなか面白いものは生まれません。小回りがきいてスピードのある外部企業やベンチャーと積極的に協業する。Jリーグを面白くしてくれる会社は世の中にたくさんいるはずです。Jリーグに一言 Jリーグはポテンシャル的に世界の5大リーグの一角になれるチャンスがあると思います。そのためには、これまでの地盤を活用しつつ、チェアマンがビジョンをしっかり打ち出し、世界の投資を呼び込んでくる必要があります。世界のリーグがアジア市場を狙っている今、日本の地政学的なアドバンテージを活かし、スピード感をもって実行していくべきでしょう。堀江貴文 COMMENTS FROM ADVISERS53

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