Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅰ‐1.RCDエスパニョール Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 5 (3)永遠のヒーロー:ダニエル・ハルケ ダニエル・ハルケ選手(満26歳没)は、バルセロ ナに生まれ、RCDEの育成組織で育ち、トップチームに昇格、キャプテンを務めた。2009年8月8日、急性心不全のため死亡。チームの中心選手、クラブを象徴するハルケの死の衝撃は計り知れなく、多くのファン・サポーターがスタジアムに詰めかけ、彼の死を惜しんだ。彼の死後、RCDEのホーム試合では、ハルケが生前に着けていた背番号21にちなみ、試合開始21分にサポーターによる彼を追悼するための拍手が沸き起こる。 スタジアムの21番ゲートは「プエルタ・ダニ・ハルケ(ダニ・ハルケ・ゲート)」と呼ばれ、彫像が設置されている。 2.スタジアムについて (1)スタジアム移転・新設の経緯 1923年から1997年まで、1982年スペインワールドカップ会場にもなった「エスタディ・デ・サリア」をホームスタジアムとしていたが、これを売却し、市の所有である「オリンピック・スタジアム(エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス=陸上競技場)」を賃貸使用していた。 2002年に€36万(4,212万円 *当時のレート€1=117円)で、バルセロナ市郊外に18.2haの土地を購入、エスタディ・コルネリャ・エル・プラットを新設した。構想に4年、建設に2年費やした。 (2)スタジアムの立地・アクセス 「スタジアムを移転・新設するにあたって、理想は交通アクセスの良いバルセロナ市内中心部だが、物理的に土地がなかったため、市役所・政府の行政機関の協力が得られる一番安価な土地であり、電車で市内から30分という公共交通機関でアクセスが良く、空港から5分の土地を2002年に購入した。スタジアム周辺地域の発展も視野に入れていた。スタジアムで最も重要なのは、交通アクセス。最寄り駅からスタジアムコンコースまでのアクセシビリティが重要だ。(RCDE幹部)」 ・メトロ、国鉄の駅から徒歩13分 ・市営路面電車駅(2か所)から徒歩13分、14分 ・カタルーニャ州鉄道(2か所)から徒歩6分、11分 ・駐車場(無料・有料)は、隣接のショッピングセン ター駐車場含み、スタジアム周辺に3,000台 * ホームゲーム時、来場者の40%が公共交通機関 利用する。平均21,000人の来場者が、試合後 8分~10分で各駅に分散していく。

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