Ⅴ．参加者所感 Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 （2014年2月8日（土）～16日（日）） 55 合、住宅（マンション・高齢者マンション）の併設などである。また、「伝統・文化」などを重要視して、ク ラブの歴史を紹介するミュージアムなどもあった。 アルディージャで考えると、商業施設は地元商店街との関係から難しいと思われ、また、住宅関係 もふさわしくないと思われる。しかし、サッカーだけでなく「複合型」と言う形態は取り入れるべきである と感じた。 3. 組織 スタジアム経営をクラブ経営から独立させ運営する形体がほとんどであった。しかし財布は1つであ る。スタジアム建設構想を考える時に、スタジアム運営組織をどのようにするかは重要なポイントだと 思った。 4. 行政との関わり 全てのスタジアムが土地に関しては行政と深い関わりがあり、都市開発計画に伴ったものもあっ た。スタジアムの所有権は、クラブ所有が多かったが、公社（マインツは100％市出資）・クラブ系列 会社などもあった。どちらにしても、行政とは良好な関係を築いているようである。 5. 最後に 欧州サッカーリーグは100年以上の歴史があり、Jリーグはまだ20年間だが、欧州の100年間も1 年1年の積み重ね。Jリーグもしっかりとした目的を持って前に進むことが重要と感じた。わが大宮ア ルディージャも同じである。 （大宮アルディージャ後援会 染谷 伊久夫） ◆ ◆ ◆ 今回、スペイン・スイス・イングランド・ドイツの4か国で多くのスタジアムを視察し感じたのは、日本はまだスタジアムに対する意識が「管理」に留まっており、「ビジネス」の意識が全くないのではないかということであった。しかし、それは現時点で致し方ない側面もある。日本国内では、「街づくり」の観点からサッカースタジアムビジネスを手掛けているモデルケースが無く、身近に感じることができない。そのため、意識改革に至らないのではないかと感じた。 一方で、野球に目を移すと、広島には「野球場ではなくボールパーク」というコンセプトで作られた国内初のスタジアム（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島）がある。そこに行くと、人それぞれ様々な楽しみ方があり、野球やサッカー、多くの関係者が日頃から視察に訪れているようである。そういう意味では、日本国内にも早く欧州のようなスタジアム機能を有した、街づくりと連動したモデルケースとなるサッカースタジアムが身近に必要で、ガンバ大阪が吹田市と進めているプロジェクトに大いに期待するところである。 また、サッカースタジアムは、「街の集客装置」として、日頃から多様な公共交通機関でアクセスできる立地の選定が重要である。今回訪問したスタジアムのほとんどが交通アクセスの良い立地にあり、唯一、ドイツのホッフェンハイムが逆に、車での来場ありきで、スタジアムの周辺に何もないからこそ、駐車場化できるという環境であった。このような両極端な交通アクセス条件でないと、スタジアムの建設は難しいと理解することが出来た。また、マインツ（コファス・アレナ）では、実際にBOX席の上質なホスピタリティと観戦環境を体験
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