Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅳ‐2.TSG 1899ホッフェンハイム Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 47 スタジアムの外回りには、クラブショップだけで、飲食売店すらない。雨のせいもあるが、お祭りのような雰囲気はない。これまでアクセスの良い立地で複合機能を持ったスタジアムを回ってきたが、そもそも公共交通機関が脆弱な小さな地方都市では、難しい面もあるのだろう。このスタジアムも小さな二つの駅からそれぞれ徒歩30分程度かかるため、敷地内2,500台、近隣2,100台の駐車場で対応せざるを得ない。ホップ氏がブンデスリーガ昇格に向けて急造した背景もあり、「街づくり」の視点を持った公共施設との差が感じられた。 (2)団体バス駐車場はアウェイ・ゲート前 前夜のマインツで、スタジアム・ホスピタリティを体験しているため、このホッフェンハイムでは、バックスタンドの指定席、€57.5(8,050円)のチケット観戦とした。 対戦相手はシュツットガルト。ジンスハイムとは85km、1時間の距離にある「ローカル・ダービー」の一戦。スタジアムの前にある団体バス駐車場(利用料金は€10(1,400円))には、シュツットガルトからのツアーバスが連ね、アウェイ・サポーターは、駐車場からアウェイ・スタンドに入るゲートが目の前という動線コントロールがなされていた。 緩衝地帯の裏手にあたる外周には、騎馬警官、消防車、救急車が4台。それでも、ものものしい雰囲気や、殺気立った感じはない。 (3)屋根の軒先が雨の日に効果 観戦当日は小雨。車でのアクセスばかりなので、傘をさしている人は少なく、フードを被ってスタジアムに向かってくる。長傘は持ち込み禁止なのだ。 それでも、スタジアムの屋根が、外側にも軒下をつくっているので、多少の待機列はカバーできる。 この屋根のおかげで、ボディーチェックや手荷物検査を行うゲートは、まったく雨には濡れない。日本特有の「テント対応」は、どこにもない。

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